今日は2010年秋から使用するスチール写真の撮影がありました。
フォトグラファーは以前このブログでもご紹介した池谷友秀さん。
2006年以来、5年目のお付き合いです。
最初の写真を改めて眺めてみると、そこには音楽の世界でなんとか呼吸をしようともがき苦しんでいる私が映し出されていますが、それからの写真を年ごとに追うと、だんだんと表情が「らしく」なっており、「ようやくここまで来たな」と、感慨もひとしお。
はじめの頃は、あらかじめこのようなイメージの写真が欲しいと、池谷さんにリクエストしてから撮影していましたが、2009年には、初めて「おまかせ」をしました。
私にとって池谷さんは写真を撮る人というよりは芸術家です。池谷さんの目を通してとらえた神田将の一瞬を表現してもらいたいと思い、あえて注文は出すべきでないと考えたのです。
そして、これまで以上にインパクトのある写真、いえ、「作品」が仕上がりました。
今回もまた池谷さんの芸術的感性を信頼しての「おまかせ」。
私自身、昨年と今年とでは、自信の持ち方が大きく違います。素晴らしい経験を通じて、あるいは苦しい状況を乗り越えて、やっとつかみ取った自信です。
その辺を池谷さんがどう表現してくれるのか、とても楽しみです。
今回の撮影は都内のスタジオで行われました。
水撮影が可能であることから選ばれたスタジオです。
池谷さんからのコスチュームのリクエストは、ブラックタキシード。
しかも質感のよいものをとのこと。
でも、それを「濡らす」わけですから、おそらく生地は台無しになるでしょう。
かといって、安物の品質は写真にも写り込みますので、お気に入りのタキシードからひとつを生贄にする決意で持参しました。
スタジオは地下2階。池谷さんチームにスタジオのスタッフが加わり、6名で撮影準備が進められる中、私はヘアメイクの岡田知子さんに細工を施してもらいます。
岡田さんは世界的アーティストやセレブのメイクも手掛けるベテランですが、こんな私にも気さくに接し、自信を持たせてくれます。
今日はちょっと「ワイルド&セクシー系で行きましょう」と、やや濃いめのパンケーキで塗り、仕上がった肌色に合うシャツやネクタイのチョイスもアドバイスしてくれました。
いよいよ撮影開始。
はじめはドライの写真。ふとスタジオに流れる音楽に耳を向けると、先ほどまでポップスだったのが、ラフマニノフになっているではありませんか。それに触発されて、私の表情もちょっとは芸術家っぽくなったかもしれません。
ドライで3パターン撮った後は、いよいよウェットの撮影です。
アシスタントさんふたりが脚立にあがって、シャワーで強烈な雨を降らせる中、私はタキシードでポーズを決めていきます。
タキシードには、急いで防水加工をしてもらってあったのですが、効果ゼロ。豪雨の中ではたちまち水が染み込み、どっしりと重くなります。
雨の温度も冷たくないようにと気遣ってくれていましたが、湯気が出ては不自然なので、冷水にしてもらいました。
結構冷たいですが、寒い日の屋外プールよりはつらくありません。
ウェットで4パターン撮影し、無事に終了。
池谷さんや岡田さんがプロフェッショナルなのは百も承知ですが、アシスタントの方々やスタジオスタッフの皆さんも、とても礼儀正しく、手際がよく、気遣いも素晴らしく、ちょっと何人か連れて帰りたいと思ったほどです。
ずぶ濡れのコスチュームも、アシスタントさんたちがすぐに手入れをしてくれたので、さほどダメージは残りませんでした。
膨大な数の写真からベストショットをチョイスするのも、池谷さんにおまかせしました。
これは私の宣伝写真である以前に、池谷さんの作品であってほしいからです。
写真は5月中に仕上がる予定で、10月以降のコンサート案内などに使っていきます。どんな写真になるか、お楽しみに・・・