今日は早朝の便で岡山空港に到着し、そのまま倉敷に直行しました。
約束が夕方以降になったので、それに合わせて便を変更することもできましたが、あの美しい街並みをもう一度歩いてみようと思い、あえて当初の予定通りに出掛けて来ました。
気持ちのいい晴れの日とはいかないまでも、梅雨空とは無縁の今日、少し曇っているくらいの方が、日差しがきつくなくてよかったかもしれません。
予約してあったホテルのチェックインタイムは午後3時。少しくらい早めに着いても、快く部屋に入れてくれるホテルは多いのですが、まだ朝食が終わったばかりの時間に押しかけたのでは、ルームキーは渡してくれないでしょう。
でも、はなから諦めるなんて、YK流ではありません。
荷物もあることですから、とりあえずホテルに向かって、少なくとも荷物を預けて身軽になりたいもの。
さて、ホテルの正面玄関に到着し、とびきりの笑顔を用意して、いざレセプションカウンターへ。係を私のペースに巻き込むことがポイント。どうやら今日はそれが功を奏したらしく、すぐに部屋に入れたばかりか、予約よりもグレードの高い部屋を用意してもらえました。
荷物を部屋に置いて、早速「美観地区」へ。今日は大原美術館も開館しており、川端にはアイスキャンディーや手作りアクセサリーを扱う露店が連なっていますが、まだ午前中だからか、人の数は前回来た雨の月曜日と大差ありません。
特に何かを探すでもなく、ただゆっくりと歩き、雰囲気に溶け込みながらひとときを過ごす。そんなリゾートのような振舞いもまた、この地にはよく似合います。
山陽新聞の朝刊でも取り上げられていた「エルグレコ」の軒先は、普段なら蔦に抱かれた外観が目印ですが、数々の願いが託された笹飾りで覆われていました。
ふと気付けば、今日は風がほとんどありません。柳でさえ微動だにせず佇み、川をゆっくりと滑る舟だけが、わずかな波を作っていました。
歩き疲れたら、いつもの喫茶店へ。って、まだ2回目なのに、もう「いつもの店」みたいな気分になる、レトロで落ち着くコーヒー専門店です。珈琲専門店で冷えたコーヒーなんてまず飲まないのですが、今回はお勧めになっていたマンデリンの冷たいコーヒーを注文。
昔、祖母が作ってくれたコーヒーゼリーを思い出す、ほろ苦くもほんのり甘い味わいでした。
気分もほぐれたところで、ホテルへの帰り道に、大原美術館の敷地内を通らせてもらいました。美しい芝生の上にはロダンをはじめとした彫刻が点在する他、その傍らには日本庭園があり、和洋のコントラストが楽しめます。
館内の美術品を鑑賞するのは有料ですが、こちらまでは無料でした。
倉敷の町中では、道路の脇にむきだしの川が流れている場所を多く見かけますが、特に柵もありません。
川幅は2メートル弱ありますが、深さはひざ下程度だと思います。それでも、大雨で増水することもあるでしょうし、夜はうっかり足を滑らせることもあるのではないでしょうか。
すれ違う車は、器用に避けていますし、きっとこの地で育った子供たちにとっては、ずっと慣れ親しんでいる身近な存在なのでしょう。
東京なら、すぐに「危ない」とフタをされてしまいそうな川ですが、小さな魚も泳いでいて、気まぐれな旅人にもちょっとした涼を分けてくれました。