子供たちをはじめ、今音楽を学んでいる皆さんに日々接する中で、その人に今何を注ぐべきなのかは、そう深く考えないまでも直感的にひらめきます。
というのは、音楽とは、人それぞれの個性くらいのことではびくともしないほどの山のようなものであって、どんな曲に取り組んでいようとも、どんなジャンルの音楽にハマっていようとも、その人を伸ばし、本物の音楽に近づけるためになすべきことは、誰に対してでもそれほど大きく違いはしないのです。
音楽をたしなむ人は誰しもが音楽という至高の峰に向かって同じ道を歩む途上にあるわけで、その人が今どの辺りにいるのかによって、その時になすべきことが決まります。
私もまたそのひとり。音楽の峰は遠くに霞んで見えていますが、その頂に立つことは、短い人生では不可能に違いありません。モーツァルトやベートーベンでさえ、いったいどの辺りまで登ったのか、私などよりはるか先まで進んだのでしょうが、頂に立ったかどうかを知るすべはありません。
その峰のふもとで、私は頂を目指す人々に道案内をしている。私は眠りながらそんな夢をよく見ます。一歩一歩進むにつれ、これまで感じなかったものに目覚め、未知の喜びが全身を突き抜けるようになる。そこがやっと峰に差し掛かる場所であり、その先は喜びも苦しみも倍増する。
そんな峰を目指すあらゆる人々に、私はできる限り寄り添って進んでいきます。いずれ私が踏み入れたことのない領域に、ひとりで突き進む人も出てくるでしょう。そんな人を、下から手を振って見送る日が来るのが楽しみです。
ところで、エレクトーンを指導なさっている先生方にお聞きしたいことがあります。
私もだんだんと全国各地の先生方とご縁が広がり、子供たちの稽古ばかりでなく、先生方からも演奏のコツやエレクトーンの効果的な使い方を知りたいというリクエストをたくさん頂くようになりました。
でも、先生方が知りたいと思っていらっしゃることが何なのかが、はっきりとはわかりません。
たとえば、完ぺきなタッチコントロールの方法、レジストレーションづくりのコツ、効果的な選曲や編曲など、実践的なこともあるでしょうし、エレクトーンという狭いくくりではなく、音楽という広い世界の中で、エレクトーンをどうとらえるかという話もあります。
先生方が、日ごろ知りたいと思っていること、疑問に思うことなど、「これがわかるとスッキリする」ということがらについて、ぜひ教えて下さい。