ひとりきりの一日

今日は終日、人との約束がなく、ひとりきりでできることを自分のペースで進められました。

ここのところ自分自身の演奏をじっくりと稽古する時間が持てなかったので、今日の午後は、ひたすらソロのレパートリーに磨きをかけました。

なぜかシンフォニーを弾きたくなり、しばらく弾くことのなかったブラームスやチャイコフスキーの交響曲に向き合ってみました。

かなりのブランクがあったので、譜読みすらあやしいところがありましたが、何度が弾いているうちにかつての感覚が戻ってきます。音符のひとつひとつが、私の血を目覚めさせるという感じでしょうか。

こうして久しく弾かなかった曲にトライしてみると、その間、自分がどのような成果を上げてきたのか、あるいは何を怠ってきたのかが、すぐにわかります。

私の場合、「かつては、こうは表現できなかった」と自画自賛したくなる要素もあれば、「同音連打や高速重音奏が鈍った」といったテクニック的な後退に苦笑いする部分もあります。

手遅れにならないうちに精彩を取り戻そうと、今日はテクニカルトレーニングにも時間を割きました。

それから改めてラフマニノフの交響曲や交響的舞曲を一通り弾いてみました。日常の稽古にしては気合いを入れすぎたのか、またしても爪は血だらけ、おまけに腕も痛くなってしまったので、今は冷やしています。

いつも弟子たちに「腱鞘炎になるなんて、無駄な力が入っていて、へたくそな証拠だ!」なんて叱っているのに、人のことは言えませんね。

なぜそんなに力がこもってしまったのでしょう。力まかせに弾いたというより、これまで感じていたよりも、深くて大きな音楽で表現したくなったため、体も心も使い方が違って来たように思います。

それをいきなり「マキシマム」で演奏したのがいけませんでした。これからは「試運転」をしてみることにします。