星空コンサート 初日

多摩六都科学館での「多摩・島しょ子ども体験塾 星空コンサート」の初日が終わり、たった今、帰宅したところです。

私が会場入りしたのは、午後3時半。今日の一般投影が終わって少し経った頃でした。昨日のリハーサルが終わってから今日の集合時間までに、それぞれの担当部署が更なる工夫を重ね、よりグレードアップした形で本番を迎えられることに、スタッフ全員の気持ちが一層盛り上がっているのが感じられました。

今回来場するお客様は、あらかじめ鑑賞希望の応募をして、当選した方々。応募の段階から高い関心が寄せられ、高い倍率での抽選が行われました。

でも、当選チケットを手にしたとしても、やむをえない都合により当日お越しにならない方が必ずいらっしゃいます。不参加の方がどれだけいらっしゃるかと不安も残る中、今回は開場時間前よりエントランス前に長蛇の列ができ、予定よりも早い開場となりました。スタートから活気に包まれるのは心地よいものです。

お客様が会場内へと入ってきている時、実は私はステージ前にある衝立の後ろに待機していました。開演より30分近く前からずっと床に腰を下ろしていたのですが、その場所は階段状になっているため、イスを置くことができませんし、立ちあがると構造上、客席から見えてしまいます。

ステージ用のスーツを着て床に座ったのは初めてでしたので、シワにならないかが気がかりでなりませんでした。

いよいよ開演。場内が暗くなり、司会者へとスポットライトが移ったところで、私は暗闇の中、楽器へと移動。その直後、ヒューマノイドロボット「MANOI」による挨拶と注意事項アナウンスがあり、私はそこに即興音楽を付けていきます。

続いて私のソロ演奏がスタート。通常のコンサートでは考えられない暗さの中での演奏は、何度も体験しているというのに、まったく慣れることができません。加えて、目の前の巨大なドームスクリーンに圧倒的な迫力の映像が加わり、それが視界に入るために、大きく注意を逸らされそうになる中、いかに演奏に集中していくかがポイントとなります。

演奏中のライブ映像がスクリーンに投影されたり、曲とシンクロするイメージの画像が全天周一杯に映し出されると、思わず吸い込まれそうになります。

世田谷のプラネタリウムの時も思いましたが、こうした環境で演奏するのは、やや荒れた海の船上でよりも平衡感覚を乱されるから不思議です。

プラネタリウム名物の「今夜の星空解説」では、解説員の穏やかな語り口に合わせて、これまた恒例の即興音楽を付けていきます。

星空を少しでもくっきりさせるために、エレクトーンの液晶ディスプレイにもカバーをして、光がこぼれるのを出来るだけ遮ったので、演奏中鍵盤も手元もほとんど見えません。私も星を見上げながら、まるで本当の夜空の下で弾いているような気分で、鍵盤を探っていました。

続いてはイメージクエスチョン。私が「ある風景」をイメージした音楽を演奏し、それがどんな風景を表しているのかを、座席に備わっている回答ボタンを使って三択で答えてもらうというコーナーです。

他にもMANOI指揮による演奏コーナー、手拍子で参加してもらうコーナーなどもあり、次々と趣向を凝らしたプログラムが飛び出してきて、あっという間の1時間20分でした。

最終的には95パーセント以上の席が埋まりましたし、初日のステージはひとまず成功させることができました。

でも、これで満足しないのが、このチームのいいところ。次回は27日に実施しますが、その時には、より進化したステージとなっていることでしょう。