電子ツールの発達により、紙の消費は減少傾向にあるようですね。
いずれ地上から紙は必要なくなる、なんて話を耳にすることもありますが、それが現実のものとなるのは、少なくとも私の死後でしょう。
私は紙が大好き。ひつじ年の牡羊座ですから、当然かもしれませんね。
もちろん食べるわけではありませんが、紙のない生活なんて考えられません。
音楽には欠かせない楽譜。電子書籍が普及するのと同時に、電子楽譜の購入とダウンロードも広まりつつあるようですが、やはり紙の楽譜がまだまだ主流です。
エレクトーンの液晶画面に楽譜を表示させることが可能ですが、この機能はまだ一般的ではありません。
それに、稽古時には気付いたことや注意事項を楽譜に書き込むことが多いので、電子楽譜ではかえって扱いにくくなります。
そのため、楽譜の作成をコンピュータ上でおこなったとしても、実際に使用する時はプリントアウトするのが一般的です。
さて、私がなぜペーパーマニアなのかというと、生活に紙が必要である以上に、紙そのものの収集に興味があるのです。
紙にもいろいろありますが、私が集めているのは、便せんや封筒。
形状や柄はどうでもよく、気になるのはただひとつ、紙質です。
基本的にはプレーンな色の、無地の紙を好みます。主な使い道は、思いを込めた手紙用。よい紙はインクのなじみも素晴らしく、不思議と筆の進みが滑らかになり、紡ぐ言葉さえ流麗になっていきます。
世界中で探した紙に、自らのロゴのプリントやエンボス加工を施して、オリジナルのステーショナリーを用意し、それに手紙をしたためるのがYK流でしたが、残念ながら、さすがに最近は電子メールに押され気味です。
楽譜の印刷や事務用には透かし入りのコットン紙を使っています。
この他にも、滞在したホテルのステーショナリーを集めていましたが、こちらは溜まる一方で、ほとんど消費しないため、最近は持ち帰らなくなりました。
持ち帰らないもうひとつの理由は、一流ホテルであっても、紙質の低下が著しいからでもあります。浮き彫り印刷や金押しの紙なんて、ほとんど見られなくなりましたし、折れ曲がったりシワの入ったものが、平然と用意してあることも少なくありません。
たかが紙なのかもしれませんが、それによって気持ちが豊かになったり、その逆になったりもするので、あなどることはできません。紙にも、布と同じくらい、人の心を揺さぶる力が潜んでいるのです。