多摩六都科学館での星空コンサートは、27日に第2回目が開催されました。プラネタリウムのあるサイエンスエッグの外観は、確かにタマゴみたいですね。
今回のイベントは、緻密な構成に基づいて進行しているので、基本的には毎回ほぼ同じ内容の演奏と演出をおこなっているのですが、やはりライブは生もの、初日と今日とで、私が受けた印象はかなり違っていました。
まずはお客様の雰囲気。前回同様、ファミリーでの鑑賞がほとんどで、ステージから客席を見ると、「いったいこれから何が始まるんだろう」と、期待半分、不思議半分という表情で会場が埋め尽くされている感じです。
今回の方がお客様がよりくつろいだ雰囲気に感じられたのは、おそらくスタッフが初回よりも慣れてきたため、進行のリラックス感が向上したからでしょう。お客様により楽しんでいただくためにも、スタッフに余裕が必要であることがよくわかりました。
どんなイベントでもそうですが、初回の本番は、流れを正しくたどることに最大の神経を使ってしまいますので、ディテールや高度な表現にまで十分な配慮が行き届かないことしばしばです。
2回目になると、逆に流れよりも本質に気持ちが向き始め、中身の充実を意識するようになります。すると、今度は流れに対する注意がおろそかになり、単純なミスが生じることもあります。
これで、スタッフは非常に落ち込むことになりますが、この失敗を越えた先に、心地よい緊張感と遊び心が絶妙に合わさった本当のライブステージが待っているのです。
私自身はというと、今日は初回よりも音楽的に楽しむことができました。演出構成は完ぺきに頭に入れておくよう、日頃から訓練を重ねていますので、どこで何をしなければならないかを考える必要はありませんし、1度経験したステージですので、起こりうる事態も予測してあります。
そんな中、演奏を進めながら、自分の奏でる音にも十分な注意を払い続けますが、今日は初回以上に響きに振り回されました。ドームという特殊な環境なので、不思議な反射音が聞こえてきて、まるで鉄でできたトンネルの中にいるような感じなのです。しかも、わずかに遅れた音しか聞こえず、ダイレクト音はほとんど耳に入りません。
加えて真っ暗になったり平衡感覚を失いそうな画像が映し出されたりと、演奏環境としてはあまり好ましくないので、ちょっと油断すると音楽的なモチベーションが断ち切られそうになります。
でも、これまで過酷な環境下での演奏を何度も経験してきたことを思い出し、「あれに比べたら天国」的な気休めを思い浮かべ、今の演奏に集中するよう心がけました。さすがに、コンサートホールのようにとはいきませんが、逆にコンサートホールでは味わえない音像を体感することもできました。
特に、ロケット打ち上げの映像にシンクロさせたジェット音は、まるで映画館の効果音のようにびりびりと響いていました。恐竜の鳴き声的SEもなかなかそれっぽかったので、我ながら満足でした。
MANOIの指揮も、初回より息が合ってきたような。気のせいでしょうけれど、それが実感です。
実はリハーサル前に、こっそり科学館の展示を見学しました。
宇宙をテーマにしたコーナーでは、月面歩行が疑似体験できるムーンウォーカーという乗り物が大人気。
私が一番興味を持ったのは、岩石に関する展示です。岩石の種類を展示してあったり、それぞれがどのように形成されるのかの説明など、じっくり目を通したいものがたくさん。
夏休みの特別展示は「ロクト大昆虫展」。世界中の昆虫標本を集めた展示があったり、実際に虫たちに触れられるコーナーがあります。ロビーではカブトムシの即売もおこなわれ、子どもたちが群がっていました。
終演後は田無のレストラン「けんぞう」へ向かいましたが、なぜか真っ暗。お休みのようだったので、駅前で蕎麦を食べて帰って来ました。
あとは30日の1回を残すのみ。終わってしまうと思うと寂しく感じます。