今日も午前と午後に、岩手県内の小学校を訪問してコンサートをおこないました。
グレーの雲が急ぎ足で流れていく空。昨日までの晴天と比べると陰鬱ですが、午前8時の出発時には、とりあえず雨は降っていませんでした。
最初に向かったのは、住所でいえば盛岡市玉山区藪川というところ。合併により今は盛岡市内となりましたが、以前は玉山村と呼ばれていた場所で、石川啄木の故郷として知られています。
そこには、湖や森林公園があり、市内とは思えないほど自然豊かなところで、冬は氷点下24度と、本州で一番寒くなる地域なのだそうです。今日はさすがに汗だくの蒸し暑さなので、冬の寒さは想像がつきません。
そんな風土に囲まれた外山小学校は、全校児童あわせても、たったの5人!
学校というよりも、まるで兄弟のような感じですね。小さい学校ですが、きちんと校長先生や教務主任の先生もいて、アットホームな学校らしく、優しさに満ちていました。
そこに近隣の藪川中学校の生徒8人が加わりましたが、それでも総勢13人です。
森に囲まれた体育館は、窓を開け放てば芳しく心地よい風が舞い込んでくるに違いありませんが、同時にアブやハチも飛んでくるということで、クローズの状態で演奏をスタートしました。
昨日とは違って、1時間近くしっかりリハーサルしたので、会場の響きはきちんと把握できました。この緑豊かな環境と、冬の寒さからイメージして、最初の演奏は「フィンランディア」からスタート。最初は緊張感があった子どもたちも、最後にはすっかりリラックスして音楽に浸ってくれていました。10曲のプログラムも、あっという間に終わってしまった感じです。
ここは寒さが幸いして、素晴らしく美味しい蕎麦の産地としても有名です。すぐ近くには、旅をしてでも立ち寄るべきといわれる蕎麦屋があるそうですが、次の目的地まで先を急がなくてはならないので、後ろ髪ひかれながら出発しました。
続いては岩手町。岩泉や藪川と比べたら大都会に思えるほどでしたが、それでも田畑が広がるのどかな景色です。
明日の一般公演にさきがけ、今日は久保小学校で、小学生対象のひとりオーケストラコンサートをおこないました。久保小学校のコミュニティー広場には、浮島小学校からも全校児童が聞きに来てくれました。
学校に到着した時は、ちょうどランチタイム。それが済むと教室から子どもたちが出てきて、見慣れぬ来訪者に興味津津の様子。私は音を出さずにリハーサルをしていたのですが、子どもたちはスピーカーに耳をピッタリつけたり、私の背後をのぞき込んだりしていました。
今回は両校の児童を合わせると60人弱。演奏が終わるごとに一生懸命拍手してくれるので、とても盛大に聞こえます。途中で実際にエレクトーンにさわったり、操作を体験したりしてもらう時には、目を丸くして見入っていました。
終演後は両校の子どもたちからプレゼントをもらいました。浮島小学校の児童からは、パウチ加工したメッセージシートとワイルドフラワーの栞のセットを。久保小学校の児童からは、華やかにデコレーションされたボックスを。どちらも子どもたちが私のために手作りしてくれた品です。
ボックスの方は、最初、何に使うのかわかりませんでしたが、後から先生が教えてくれました。
箱の両端のフタを開けて、光の方を向けてのぞきこむと・・・
まるでステンドグラスのように美しい光が見えます。いくつかのパターンがある付け替えシートも用意してくれたので、バラエティが楽しめます。
学校コンサートが終わってからは、明日の公演の仕込みのために会場へ。楽器のセッティングだけ済ませて、ホテルへの帰路につきました。
途中、石神の丘美術館の脇にある「道の駅 石神の丘」で、名物のブルーベリーソフトクリームを食べました。
しっかりブルーベリーの風味があって、ヨーグルトのように甘酸っぱいソフトクリームでした(250円)。
盛岡のホテルに戻ってからも、藪川の蕎麦が頭から離れず、盛岡駅前にある「きさらぎ」という蕎麦屋を紹介してもらい、出掛けてみました。
車がひっきりなしに往来する道の傍らに、ひっそりと佇む古びた店は、一歩足を踏み入れると昔の農村のような雰囲気。蕎麦を使った郷土料理もありましたが、今回は奇をてらわずに天ざる(1,200円)を注文しました。
たっぷり山盛りの天ぷらに、太めの蕎麦。つゆはさっぱりと薄味でした。なんだか、ここだけ時間の流れがゆっくりなように感じました。
ホテルに戻ってから、またもやソフトクリーム。今度は高原ミルク味。コーヒーのマグカップはフランクロイドライト柄ですが、帝国ホテルの器と同じ柄なので、帝国ホテルと無関係のホテルで見かけるのは、なんとなく違和感があります。
今日はふたつもソフトクリームが食べられてご機嫌。ゴールデンウィークのうたづ海ホタルを思い出します。明日は、○○○ソフトと、○○○カレーに挑戦してみようかと密かに思っています。