生きてるだけでそれだけで

今日も終日コンサートの仕込みデー。データ作成がメインなので、稽古デーというには程遠い一日でした。

リサイタルも「せんくら」も、準備はそれぞれラストスパートに入っていますが、日ごとにギリギリ感が高まり、スリリングな気分でトライし続けています。

そんな中、今日は24日に控えたいっこく堂さんとのコラボレーションの準備もおこないました。こちらは1年半前に開催したイベントと、大筋は同じ内容なので、新しく仕込むものはありません。復習という感じでしょうか。

でも、いざ復習をしていると、「こんな音で弾いてたのか」と唖然としたり、新しいアイデアが浮かんできたりと、結局そのままでは済まなくなりました。

1年半の間に、私の音色やテンポの好みが大きく変化したことが、こうした復習から実感できます。

一方、不思議なことに、段取りは案外と記憶に残っています。どこでどんな操作が必要かとか、どのきっかけで音楽が入るかなど、特にメモも取っていない割には、ほぼ正しく覚えています。

しかし、この「ほぼ」が問題です。エレクトーンの場合、一瞬の操作ミスが演奏を台無しにすることもあります。ピアノならば、仮に同じ部分をもう一度繰り返すことになっても、逆にある部分を飛ばすことになっても、即座に対応できますが、エレクトーンではそうはいきません。

この「演奏の段取り」を精確に把握していることが必要なのです。今回のステージに必要な段取りは「ほぼ」覚えていますが、時折、「リズムスタートはシンクロでよかったんだっけ?」とか、「シーケンスボタンはいくつまで押しておくんだっけ?」など、操作に疑問が生じ、記憶を頼りに復習してみたら、事故が起こりました。

これが本番だったら、一大事です。演奏という面では、まったく不安がなくても、操作面にはいつも緊張感が伴います。

明日はいっこく堂さんとリハーサル。ご一緒するステージの中に、いっこく堂さんのオリジナル曲「生きてるだけでそれだけで」という曲があります。

昨年もギリギリで準備したので、その時は歌詞をしみじみ解釈する余裕がありませんでした。今回は、伴奏部分を弾きながら、声に出して歌ってみました。

シンプルでさりげない言葉の中に、私の心をとらえる部分がたくさんあり、感慨深く思いました。明後日の本番が、どんなステージになるか、一層楽しみになりました。

昨日仕上げたドビュッシーも、ゴリウォーグは極めて下品なところがいい感じですし、月の光は幻想的で夢の世界です。

続いて、動物の謝肉祭の終曲をこれから仕上げます。