今朝には天気も回復し、絶好のランニング日和。体力温存のため、今週はトレーニングをさぼるつもりでいましたが、走らなければ走らないで、体が硬直してきますし、気分も閉じてきてしまいますので、今朝は神田川沿いを走って来ました。
その後は身支度をして、「せんくら」に備えたリハーサルをしました。午前中は自宅で、そして午後からはエレクトーンシティで。
「せんくら」では全35曲を演奏します。1曲だけプログラムを変更することにしました。「王様と私」から“Shall we dance?”を演奏する予定でしたが、この回は演奏時間の長い曲が多く時間に収まらなくなってしまうので、タンゴの小品にチェンジします。ダンス特集の回ですので、優雅で情熱的なタンゴもきっと似合うと思います。
ステージごとに区切って、ノンストップのリハーサルをしたのですが、思いもよらぬトラブルが続出です。弾きなれている曲なのに、波に乗れないというか、「本当にこの曲は私のレパートリーだったっけ?」と不安になるというか、いつものようにばっちりと決まりません。
やはり、1曲ごとに心構えや気持ちの持って行き方が違うので、ただ弾くというのではダメなのです。この心の在り方をどうコントロールするかが、マラソン演奏の成否を左右するカギとなります。
そして、「せんくら」というクラシック界のスターが多数集結するイベントに出演するという気負いも大きく、いつになく体がガチガチな感じです。
きっとコンクールに出場する皆さんも、本番ではこんな状態なのでしょうね。
さあ、演奏に問題点が多々見つかっても、それを確認したり復習する時間はありません。なにしろ、「せんくら」とリサイタルの曲を一通り弾くだけでも4時間近くかかるのですから。
すでにステージで演奏した経験のある曲は、「一度はできたのだから、必ずできる」と信じて臨むしかありません。事実、心身のコンディションが崩れない限りは、大丈夫なはずです。
その他に、今回初めて披露する曲もたくさんあります。こちらは、繰り返し丁寧に弾き込んでおく必要があります。150パーセントの準備をしてあっても、初めてのステージではその半分も発揮できないことがほとんどですから。
でも、初披露を怖がっていたら進歩がありません。何度も演奏してきた曲はより成熟させ、新しい曲にも常にチャレンジしていかなければなりません。何事にも初めてがあるのですから、果敢に臨むことが大切です。
さて、午後になって場所をエレクトーンシティに移し、ふたたびリハーサルの続きを。と思いましたが、やはりまずは初日の演奏と、リサイタルの初披露曲に専念することに変更しました。
どう頑張って40曲以上を弾いてみても、それは「さらう」という以上のことにはなりません。
1曲ごとに思いを込めて、「この曲の演奏が私のラストチャンスだったら、どう弾きたいか」という気分で、丁寧にアプローチしてみました。
すると、さきほどエラー続出だった演奏に、いつもの魂が宿りました。やはり、ちょっとした気持ちの在り方で、演奏が人の胸に響くかどうかが左右されるようです。
後半はリサイタルの稽古をしました。仙台に行ってしまったら、きっとリサイタルの稽古をする時間はありません。そう考えると、もう明日か明後日がリサイタルだと思わなければいけないということになります。
リサイタルでの新曲披露は、練り直した作品を含めて3曲のみ。あとは何度か舞台を経験している作品ですが、大作ばかりですので、とても気楽には構えられません。
その一方で、昨日までは混とんとしていた気持ちが、少し明るくなってきて、リサイタル当日を楽しみにするという余裕も生まれて来ました。そんな前向きな気持ちで、明日から仙台入りします。