仙台の一日はあっという間に過ぎていきます。もう二日目が終わってしまい、残すはあと2ステージ。ホッとするより、早くも「ああ終わってしまう」という寂しさに包まれています。
今日も午前中からK’s Music Laboratoryにうかがって、しっかりと稽古をさせてもらいました。まずは今日のプログラムを一通り演奏。それから明日のことも少し視野に入れて、難曲を中心に感覚を磨いていきました。
そろそろ本格的にエンジンが掛かるかという頃には、すでに出発しなければならない時間が迫り、時間経過の速さに軽く動揺。そこにオーナーさんがケーキとコーヒーの差し入れをしてくれました。素晴らしいタイミングです。
宮城野区幸町にある「ドゥーブルマロン」というお店のチョコレートケーキ「青葉城の石垣」です。店名を「ドーベルマン」と聞き間違え、随分と獰猛なネーミングだと思いましたが、綴りを見ると「栗二倍」なんですね。
実際の「青葉城の石垣」は間違いなく「歯が立たない」ことでしょうけれど、こちらは見た目のゴツさとは異なり、中はふんわりと軽やかなクリームとスポンジでした。軽い疲労感のあるところに、美味な糖質はありがたかったです。
明日も朝からお邪魔する約束をして、会場へと移動。旅先でプロフェッショナルモデルを存分に弾かせてもらえるところは極めて少ないので、本当に助かります。おかげで仙台でのコンサートは、いつでもグッドコンディションです。
会場に到着すると、ちょうど前のイベント「おんがくとえいごであそぼ」コンサートが終わったところ。ホワイエではお客さまが「ぷっぷる」や「HOPPY」を囲んで記念撮影をしたりして賑わっていました。
私は会場で次に予定されている私自身のステージの準備に取り掛かりつつ、戻ってきた着ぐるみ隊をつかまえて記念撮影しました。私もギリギリ歌のお兄さん役ができるでしょうか。あるいは賞味期限切れでしょうかね。
さて、準備が整ったところでリハーサルスタート。まだ時間はたっぷりありますので、もう一度、明日の難曲から始めました。いやはや、交響的舞曲に、バッカナール、タンホイザー、運命の力など、シンフォニックな大曲は、それぞれに全力投球を要求してきますので、次々と弾くなんて・・・
とはいえ、自分で決めたプログラムですし、果敢にチャレンジしてこそ神田将です。さあ、難所を中心に丁寧に弾いておきましょう。と、そこに「そろそろ開場ですが・・・」との声が。
え、まだ1時間くらいあるかと思ってましたが、もうキッカリ開場時間です。慌てて撤収し、楽屋に戻りました。結局、今日の演目を弾くことができませんでした。
正直、不安が残りますが、腹をくくる以外にありません。成せば成る。そう言い聞かせて出番を待ちましょう。
今回はファミリーで楽しむTheひとりオーケストラ!がテーマです。音楽には喜びや悲しみ、怒りや恐怖など、様々な感情を表現するものがあったり、見知らぬ風景や空気を感じさせてくれるものもあるということを、子どもたちに知ってもらえたらという気持ちで選曲しました。
エレクトーンで弾くことの歓びと苦労を交えながら、曲に対する思いや背景をお話ししながら進めました。あっという間の45分(プラス5分)でした。
その後はサイン会。2010,10,2と記入しながら、頭からでも尻からでも数字の並びが同じ日なんだと気付きました。2019年までは毎年10月2日がこの配列になりますね。それまでずっとせんくらに出続けられたらいいなと思いました。
サイン会が終わってから、急いで向かったところ。それは楽楽楽ホールです。ヴァイオリンの川久保賜紀さんとピアノの三浦友理枝さんのデュオコンサートをどうしても鑑賞したかったのです。
直前に駆け込み、最後列に座りました。最後列だとあまりよい席ではないという印象がありますが、ホール全体が見渡せますし、響きや音量にも不足は感じず、とても居心地よく思えました。
プログラムはブラームスとバルトーク。心に染みいる美しい音色を聞いていると、まるでどこからともなく花の蜜の香りが漂ってくるような錯覚がありました。音楽が美しいばかりでなく、おふたりとも容姿まで美しく、まさに絵になるコンサートでした。
幸せ気分で楽屋に戻ると、ちょうど賜紀さんが戻ってきたので、しばらく立ち話を。一年ぶりの再会なので近況を尋ねたり、今後のスケジュールを聞いたりしました。こうしたコミュニケーションが取れるのも、せんくらの魅力です。
さあ、あと残すところ一日。超大曲目白押しプログラムに、とことん燃えます。