今日、弟子の星野隆行からリサイタル当日のスチル写真を収録した記録メディアが郵送されてきました。自慢のカメラで撮影してもらった本番の様子は、当日のブログでも何枚かご紹介しましたが、もう何枚かご覧下さい。
当日のステージ上では、演奏すること以外に何も考えられないほどに集中していましたが、こうしうて写真で自分の姿を見ると、その時の気持ちがくっきりと思いだされます。
一枚一枚の写真を見て、どの曲のどの部分を弾いているのかすぐにわかりますし、客観的に見てもどれほど自分が真剣であったかが伝わってきます。
リサイタルで毎回照明デザインを担当してくれている紀平三博さん。今回のテーマは「ユニバース」。星の近景が描かれた幕を吊り、そこに異なる光を当てることで、様々な表情に演出するという趣向です。
光のニュアンスで、まるで別世界のようになるのですね。演奏中に自分では変化を見られないのが残念でした。こうした照明を入れての公演は、YAMAHAホールリニューアルオープン後、初めてだそうです。
幕の前やステージ上にセットされた巨大な風船は、さながら衛星のような雰囲気で、舞台に立体感をもたらしました。時には私が宇宙空間に浮かんでいるようでした。
それにしても、今回、演奏中の私の表情は常時シビアでした。心もちリラックスできたのは、シュトラウスとガーシュインの一部分くらいです。
大胆でダイナミックな演奏をしようと思いながらも、プログラムチェンジの操作音や、ペダル演奏の靴音などを最小限に抑える努力も必要でした。
そして、私は高い位置から鍵盤に向けて腕を振り下ろすのが特徴です。 一番後ろの列にお座りのお客様にも、私の鼓動や息吹が届くようにという思いを込めて演奏しました。
名司会で支えてくれた棟方さん。
合間のトークでは、自分ではアピールしにくい部分を、巧みに引き出してくれました。
「幻想行進曲 幕末」を作曲してくれた石田さんも舞台へ。
今回、会場にお越しになれず、遠くから応援してくれた皆様にも、写真を通じて会場の雰囲気を少しでもお伝えできれば嬉しいです。