三重での二胡コンサートと松阪牛

今日は三重県松阪市にある「くしもと整形外科」の開院11周年を記念する催しがあり、二胡の姜建華さんと共演してきました。

くしもと整形外科の院長ファミリーが、姜建華二胡コンサートを手掛けているプロデューサーの親族というご縁から実現した今回のイベント。世界の姜建華さんをお迎えするにあたり、会館でのコンサートというスタイルをとることも考えたそうですが、例年通り医院のリハビリ室でのコンサートとなりました。

いつもはリハビリ用の設備がびっしりと並んでいるのですが、医院職員や製医薬会社の皆さんが手作りのコンサート会場に変身させてくれました。特設の舞台を組んだり、レンタルした客席を並べたりするだけでも大仕事ですが、舞台背景に暗幕を張り、ステキな桜色の布を掛けるなどの工夫をして、本格的なコンサート会場が出来上がりました。

余談ですが、私たち音楽家の間で「リハ室」といえば「リハーサル室」を意味しますが、病院では当然「リハビリ室」なのですね。

医院の前庭には、開場時間前から入場を待つ列ができ、お客様の期待の高さをうかがわせます。やがて開場時間となると、会場は一気に活気づきました。

予定時間よりわずかに押してスタートした本番。MCは漫談師の荒木おさむさんが取り仕切ります。荒木さんは鳥羽一郎さんのコンサートなどでも司会を務める大ベテラン。軽妙なトークに、会場の雰囲気はたちまち和みました。

院長先生の挨拶があり、いよいよ姜建華さんと私の登場。ふたりだけでのアンサンブルはとても久しぶりです。

ふたりで演奏する場合は、オーケストラ風の曲やリズムが入ったポピュラー曲が多いのですが、今回のプログラムには通常中国楽器のみで演奏されるシンプルな曲が多く含まれており、そのシンプルさゆえに、どう演奏するかかなり悩みました。

でも、不慣れな私を姜建華さんがきちんとリードしてくれたので、本番でもとてもいい感じで演奏でき、楽しくてハートウォーミングなステージとなりました。

途中でスペシャルゲストの登場。実は、院長のお子さんふたりがヴァイオリンを習っていて、今日は飛び入りで日頃の成果を披露してくれたのです。

というわけで、私も伴奏譜を借りて、飛び入りでアンサンブルに加わらせてもらいましたが、ふたりとも堂々とした弾きっぷりで、お客様から盛大な拍手を贈られていました。

院長先生がなぜこうしたイベントを毎年続けているのかをお聞きしました。患者さんは何かしら不調をかかえて病院を訪れる。診察を待つ時間が長くなることもしばしばで、その間にも眉間のしわが深くなってしまう。でも、このイベントの日だけは、患者さんたちが明るい顔でやって来て、溢れるほどの幸せを抱えて帰ってくれる。そんな患者さんたちの笑顔を見るために続けている。と、おっしゃっていました。そのお手伝いをさせてただき、私も大変光栄に思いました。

終演後は院長ファミリーに招かれて、松阪牛で名高い「海津本店」へ。今年で開業40周年を迎える海津は、見事な庭園を望む全室個室の座敷で、自慢の焼き肉やすき焼きを楽しめる名店です。

まずは炭火焼から。肉や野菜が目の前の炭火で香ばしく焼きあげられていく様子を見ているだけでも楽しいもの。焼くのも取り分けるのも、すべて係がやってくれるので楽です。

続いてすき焼き。関東ではダシを使ってすき焼き煮風にすることが多いのですが、こちらでは醤油と砂糖だけで焼いていき、煮るという感じにはなりません。

わんこそばのように次々と皿に放り込まれるので、知らず知らずのうちに大量に平らげてしまったような気がします。いつもならカロリーを気にするところですが、今日はカロリー計算もお休みにしました。

食事の合間にサインに応じるジャンさん。

イベントの成功を祝して、皆でご馳走を囲む時間は格別です。院長ファミリーはもちろん、手伝ってくれたすべての皆さんと、ご来場のお客様に心より感謝しています。

帰りは私だけ大阪へ。中川駅で皆さんとはさようなら。