函館で宿泊した宿は目の前が水産市場。朝から活気がみなぎっています。海の鳥たちもおこぼれにあやかろうとにぎやかに飛びまわり、それに負けじと陸のカラスたちも集まっていました。
海沿いには港街らしい風情が漂いますが、どこかハイカラなのは横浜や神戸に共通します。古い倉庫はしゃれた店に改装され、日中は多くの観光客が訪れるのでしょうが、朝はほとんど人がなく、さわやかな雰囲気もひとしおです。
すぐ向こうには函館山が見えています。ちょっと目をそらしてみると、小樽にも似た風景がありました。水際に佇むと、いつのまにかノスタルジックな気持ちになるのはなぜでしょうね。
さて、今日から北海道内の主要都市を廻る旅がスタートします。東北ではジャンボタクシーでしたが、北海道ではマイクロバスが用意されました。
25人乗りですが、乗客は私たち出演者4人だけ。ひとりひとりの専有面積はファーストクラスですが、環境はエコノミークラス・・・なんてケチをつけてはいけませんね。安全かつ時間内に次の会場まで移動するのが主目的ですから。
でも、ベテランのガイドさんまでつけてくれましたし、運転手も誠実な人なので安心して楽しいドライブができそうです。苫小牧までは4時間かかるそうで、途中、休憩をはさんで4時間半で移動する予定。空には雲が少なくありませんが、雪になる心配もなさそうです。
市街地を抜けると、北海道らしい雄大な景色が続き、終始窓に目が釘付けでした。左に紅葉が終わろうとしている山々。右に紺碧の海。どちらも魅力的です。
バスが山間に差し掛かると、急に強い雨が降りましたが、青空も見えているので通り雨でしょう。やはり雨はすぐに上がりました。すると、手に取れそうなほど見事な虹が目の前に。思わず一同から「ああ」と声が出てしまいます。
ところが高速道路を走行しているので、虹は瞬く間に消えていきました。そして晴れたかと思うと、また通り雨。それを抜けるとまたまた虹。都合3度の虹を見ることができ、運気が急上昇した気分でした。
途中、サービスエリアに寄った際、空があまりに気持ちがよくて、天に向かってシャッターを切りました。
青空を背景に、銀杏が黄金色に見えます。
北海道の夕暮れはとても早い時間に訪れます。まだ午後2時半だというのに、太陽はこんなに低く傾いていました。間もなく苫小牧です。
苫小牧市民会館大ホールは客席が1630席もあります。広い空間で思い切り演奏するのはとても気分がいいので、今日も大ホールの醍醐味を満喫しながら演奏しました。
困ったことに楽屋が2階・・・階段は上がれないのに・・・しかたなく這って上がりました。本番もコンディションに気遣うつもりでしたが、始まってしまうと「マキシマム」になってしまいます。やはり中途半端な演奏はできません。でも、盛大な喝采をいただくと、これでよかったんだと実感します。
明日は休演日なので、しっかりリカバーしますが、編曲もたまっているし・・・スイッチはオンのままでいきましょう。