苫小牧~旭川 神の宿る大地

本日休業。いつも華やかな装いの共演者たちも、今日ばかりは「ほぼ」すっぴん。この状態を姜建華さんは「生をお見せしてごめんなさいね~」と表現し、おおらかにほほ笑みます。

移動だけの一日なので、共演者たちは開放的な気分で思い思いに過ごす様子。私以外は全員、普段は二児の母ですから、演奏家としての仕事と母や妻としての務めの両立に追われていることでしょう。私には想像もつきません。

こうして自分自身の時間を持てることは、主婦にとって極めて恵まれていると、全員が口を揃えます。しばしひとりの女性になって、輝きを取り戻す時間を過ごすのも大切なように思えます。

それにしても、よく眠ること。私は乗り物の中では眠れません。長いフライトであろうとも、夜行列車であろうとも、覚醒したままで過ごします。

今回も移動のバス内で起きているのは運転手と私だけ。あとは、あられもない姿で熟睡しています。普段はきっと睡眠不足に違いありませんから、そっと休ませてあげましょう。それにしても、こんな顔を人に見せていいのでしょうか。見なかったことにしなければいけませんね。

苫小牧から旭川まではほとんど高速道ですので、車窓の景色もどんどんと流れて行ってしまいます。

昨日は通り雨が何度かありましたが、今日はむしろ雲と雨が勝っていて、時折太陽が顔を出す程度でした。でも、今日もまた3度のレインボウを見ることができました。

道内を移動しているだけですが、大地の表情が土地ごとに違っていることに驚かされます。

木々や草たちの色もさまざまで、本当に美しい光景です。その中で力強い色彩を放っているのが、土そのもの。すべてをはぐくむかのような優しさと威厳が感じられ、アイヌの人たちが語った、大地には神が宿るという言い伝えが真実であるように思えます。

きっといいにおいがするに違いありませんが、残念ながら密閉されたバスの車内でそれを感じることはできませんでした。

旭川に着いてからは、終日ホテル客室にこもって編曲をしています。時間がいくらあっても足りませんが、こなし仕事にはならないよう、イメージを大切に丁寧な編曲を心がけています。

そんなわけで、旭川の街並みをちらりとも見ることができませんでした。食事も共演の皆さんとホテル館内で済ませました。中国料理の定食です。

売店でみつけた招き猫のチョコレート。販売元は旭川市内となっていますが、実際は全国どこででも売られていますね。でも、箱がついているのは初めて見たので買ってしまいました。皆さんのところに福が飛んでいきますように!