今日から3日間は、薩摩川内市内の小学校を廻るコンサートです。午前と午後の一日二回の演奏会。それぞれ90分の熱いコンサートを成功させる鍵は、自らが楽しむこと、そして十分な体力と気力です。
トップの写真は開演直前の舞台袖から。ピアノパネルに開演を待つ子どもたちの姿が映っています。
昨日まで滞在した下甑島も、合併により今では薩摩川内市となりましたが、かつての「下甑村」時代の風土そのもの。生徒の人数も少なく、小学生と中学生が共に集まってのアットホームなコンサートとなりました。
ところが、本土の小学校は、まず一校ごとの人数が違います。多いところでは900名近い生徒がいるとのことですので、演奏会に際して注意することがたくさんあります。
エレクトーンはスピーカーの音量を調節することで、幅広い人数に対応するのは比較的簡単ですが、他の楽器はアコースティックのままで演奏していますので、エレクトーンが勝手に音量をころころと変えるわけにはいきません。
また、体育館という基本的な環境は共通していても、その広さや響き具合には、それぞれの特徴があります。
体育館舞台が狭く、生徒の人数が多い場合には、どの子に対しても均一な条件で聞いてもらうことが、事実上不可能になります。
音だけではありません。体育館のギリギリいっぱいまで広がった生徒たちの、後ろの方に座った子からは、ステージの演奏者をはっきりと見ることも難しいでしょう。
特に照明効果も音響設備もない環境でのコンサートですから、最後尾の子どもをも包み込むように進行するのは至難の業です。
ステージの上で演奏する場合でも、このような困難があるのですが、人数が多い上に平土間で演奏しなければならない時は、もっと大変です。
後ろの方からは、演奏している様子がよく見えません。低い位置で演奏していると、音も十分に飛んで行かなくなりますので、音楽としての印象も薄れてしまうことになります。
特にエレクトーンは手足を自在に使って演奏する様子が魅力のひとつ。その手足がはっきりと見えないとなると、楽しみも興味も半減するでしょう。
人数が150人を超える場合は、できれば平土間でのアンサンブルは避けたいのですが、グランドピアノが舞台の下に設置されているなど、全員でステージに上がれない時は、我慢して下で演奏するしかありません。
今日の午前中に演奏した亀山小学校はステージ上での演奏でしたので、まったく問題ありませんでした。
一方、午後からの可愛小学校(「えのしょうがっこう」と読むそうです)は、700名近い生徒が集まる体育館で、平土間での演奏となりました。
当初はフロアに直接楽器を並べるしかないと思っていたのですが、担当の先生が体育館裏から平台を持ってきてくれました。そこにドラムスとエレクトーンを設置することで、後方からでもかなり見やすくなりましたし、ドラムスの音も遠くまで飛ぶようになりました。
ちょっとした工夫で、演奏効果には大きな差が生じますので、やはり直前までできることの工夫を重ねることが大切です。
それにしても、600人、700人の小学生たちが一同に集まると、とにかく元気!そしてなんとも愛くるしくて仕方ありません。
体験コーナーで「やりたい人!」と振れば、一斉に「はい!」「はい!」「は~いっ!」と手が上がります。
でも演奏中はきちんと集中しながら目を丸くして聞き入ってくれる子どもたち。今日も大きなパワーをもらいながら、全員の力で成功したコンサートとなりました。
私の腰のコンディションは、ふたたび振り出しに。昨晩、寝しなにベッドで体をよじった瞬間、またも魔女の一撃。そんな私をみんなが助けてくれます。本当に嬉しく、頼もしく思います。