mission practicable

相変わらず、移動、移動の日々。ささやかなクローズイベントと、オフィシャルな打ち合わせを両立させるため、連日500キロ以上の旅を繰り返しています。名古屋-東京-京都-東京-大阪・・・・・ああ、交通費と時間と体力がもったいない。

今日、東京で会ったのは、25日のコンサートをプロデュースしてくれているベテランの構成作家。とてもおおらかな人柄ですが、私には容赦なく負荷を投げかけてきますので、気を抜けない相手です。

「名古屋が終わるまでは」と待ってくれていたのですが、終わったからにはすぐにでも取り掛からなければなりませんので、私も早急に内容を把握したいと思っていたところでした。

落ち合って向かったのは、アフターヌンティー。「ここって、女子の店じゃないの?」と若干の違和感を覚えましたが、プロデューサーは気にしていない様子。

そして、席につくなり楽譜の束と台本が無言で差し出されました。それを無言で受け取る私。ざっと目を通していると、選曲理由や聞かせどころなど、私がまさに知りたいと思っていることを、適切なタイミングで教えてくれます。

まだ、揃っていない楽譜もありますが、まあ、いずれ何らかの形で入手できるでしょう。

続いて台本に目を通します。単に曲を並べたものとは次元が違い、演奏会の中に確固たるストーリーが潜んでいるところが、何とも素晴らしい台本です。知的でエレガント。なのに、とてもシンプルでわかりやすいのです。

「ところで、神田さん、あと何日使えるの?」と尋ねられ、「え~、二日間は確保しました。」と私。

与えられた課題を仕上げるのに厳しい状況であることは明白ですが、プロデューサーはうなずいただけ。心配しても仕方がないでしょうし、私のことですから、必ず何とかすると思ってくれているのでしょう。

注文した飲みものが運ばれるよりも速やかに、打ち合わせは終わりました。なんだか、スパイの申し送りみたいな雰囲気です。

そこからはリラックスして話が続きます。私が来年のリサイタルのヒントを求めると、様々な実例をあげながら、刺激的なアドバイスをしてくれました。

次のステップとして私が目指すべきものや、実現すべきものをも示唆してくれていたので、これからじっくり吟味してみようと思います。

8日の名古屋公演も、このプロデューサーとの出会いがなければ、今回のような成功はありませんでした。あくまで観客目線での選曲を心掛けることと、その極意を授けてくれたのはこの人だったのですから。

25日のコンサートは、規模としてはとても小さなものですし、場所もエレクトーンシティのメインスタジオというさっぱりとした空間ですが、私がこれに注ぐ気持ちはかなりのものです。

今回も遠方からはるばるお越し下さるお客様もたくさんいらっしゃいますので、心温まる、そしてちょっぴり胸がキュンッとなるステージをお届けしたいと思います。

(トップ写真は、グランドプリンスホテル新高輪のクリスマスブースです。)