ロボくんと大介さんと悪魔と天使

山口での濃密な40時間は、あっという間に過ぎ去ってしまったような気がします。多くの方々に力添えしていただいたコンサートも大成功に終わり、少しは余韻に浸りたいところですが、次のコンサートに意識をシフトしなければなりません。

思えば、リサイタルも上海も名古屋も、遥か彼方、遠い昔のように思えます。
我にかえる隙もなく、何かにとりつかれたように、ひたすら音楽に全神経を注いでいますが、こうしている間は不安や苦しみを実感することもありません。

月刊エレクトーン紙面で「永遠に続く研鑚と挑戦」と評していただいた際、「そうか、私の旅はまだまだ始まったばかりではないか」と気持ちを新たにしたことを思い出し、次のステップを踏み出そうではありませんか。

午前の便で山口宇部空港から羽田へ。「どこかに売ってないかな」と密かに探し求めていた宇部のお気に入りお菓子が、空港売店の軒先に山積みされているのを見て大喜びの私。

それがこちら。「ロイヤル」の「記念館の見える街」というお菓子です。

2月に出演した「チョコッとバレンタインコンサート」の時、お客様が差し入れて下さったことで出会ったこのお菓子。私の好みに「どストライク」でした。

むかしむかし、小田急ロマンスカーがまだ「走る喫茶室」だった頃、マロンガレットというお菓子が売られていました。

ひとつひとつ真空パックにされ、丁寧に箱詰めされたそのお菓子はひとつ250円。アーモンドとバターの風味がリッチなガレットに栗が入っていて、これとミルクたっぷりのココアという取り合わせが大のお気に入りでした。

そのマロンガレットに近い味わいを感じたのが、この「記念館の見える街」です。ネーミングは旅情をそそるようなフレーズですが、パッケージはUBE DOG ロボくんの絵姿。このアンバランスもまた、にくいんです。

5種類の味があり、それぞれに山口県の名産をおりまぜるという地産地消型。ガレットをパイで包んであるので、ちょっとしたおやつタイムなら、これひとつで大満足です。

一瞬、大量に買い占めちゃおうかと思いましたが、また重たい荷物を持って腰をやられたら一大事ですので、自粛しました。

空港では演歌歌手の北川大介さんの姿を見かけました。面識はないのですが、なぜかよく遭遇するんです。最初に北川さんを知ったのは、ヒルトン小樽(今はグランドパーク小樽)のディナーショーに私が出演した時、隣の宴会場で北川さんのファンクラブの集いをやっていたのがきっかけでした。

なぜ気になったのかというと、私の友人に顔がよく似ていたからです。(おぐけんではありませんよ)
その友人はゴルファーになればいいのにと思うほどゴルフがうまかったのですが、北川さんもゴルフはプロ並みだそうで、不思議な共通点に驚きました。

今日も北川さんはめちゃくちゃ爽やかな笑顔でした。私は赤い飛行機、北川さんは青い飛行機でしたけど。

東京に戻ったら、すぐにエレクトーンシティへ向かい、25日のリハーサルをしました。まだきちんと稽古ができていないので、合わせながら共演者に迷惑ばかり掛けましたが、当日までにはしっかり板につけておくつもりです。

リハーサルをして実感したのが、今回のプログラムは本当に魅力的だということです。私は悪魔から天使まで、幅広いというより極端な表現を求められていますし、疲労感があってはとても弾けないほど、激しく体力を消耗する曲が続きます。

フルートがこれほど幅広い表現力を持つ楽器であるとは知らなかったと感じるくらい変化に富んだ選曲ですし、ソプラノとメゾソプラノの魅力がそれぞれに炸裂する歌の競演もまた刺激的です。

弾きながらワクワクが止まらず、25日が一気に楽しみになって来ました。これから、その25日のコンサートに向けた、アレンジの修正と仕上げに取り掛かります。