音楽の翼に乗って

クリスマスイブの夜、皆さんいかがお過ごしでしょうか。ロマンチックなディナーや家族とのだんらん、あるいは職場の忘年会という方もいらっしゃることでしょう。

私は何ということのない日常を送っています。一日中楽器に向かって稽古三昧。でも、ちょっといつもと違うのは、好きな曲を好きなように弾いているということ。ある意味、ひとりコンサート状態です。

音楽を通じて、世界中の様々な国を訪ねている気分。そればかりか、大海原のど真ん中や、宇宙の果てなど、あらゆる場所や時代を自由に旅することができます。

穏やかな曲で気持ちを癒したり、壮大な作品で心地よい汗をかいたり、悲しみに溢れる音楽に心をふるわせたり。こうしていろいろな音楽を奏でた後には、不思議なことに希望に満ちた気分が最も強く残ります。

元来、私はクリスマスとか正月といった行事にはあまり興味がありません。友人の誕生日さえ祝う時間も自由に持てないのに、縁もない過去の人の誕生日など祝う気にはなれませんし、心底祝いたいという思いがないことで浮かれ気分になりたくもありません。それよりはきちんと先祖の墓参りをしたいものです。

さて、また楽器に戻って、次の旅に出掛けるとしましょう。今度は明日のコンサートの稽古ですから、目的地は火星と月とパリとスペインです。