2010年最後を飾るコンサートのため、上海へやってきました。コンパクトにまとまっていて使いやすい羽田空港の新しい国際線ターミナルから出発したJAL便が到着したのは、虹橋空港の古いターミナル。
こちらもまたコンパクトですが、設備が古いこともあって、初めて降り立った空港なのに、とても懐かしい場所を訪れたような気分になります。
虹橋空港では現地で世話をしてくれる皆さんが出迎えてくれ、明日のコンサートがある劇場を併設しているホテルへと向かいました。
ザ・ポートマン・リッツ・カールトン上海では、態度のでかいクマがお出迎え。早速チェックインを済ませ、そのままロビーラウンジで明日の打ち合わせに入りました。なにしろ、どのようなコンサートなのか、主演の私には何も知らされていないのに、現地では準備が粛々と進められているのですが、そろそろ内容をクリアにしておかないと、心構えができません。
そこで初めて、明日のコンサートが「上海銀行創立15周年記念演奏会」であることを知らされ、今日の夜9時半から仕込みが始まり、明日の午前中に銀行側のセレモニーのリハーサル、そして午後からが私のリハーサル、本番は午後7時のスタートであることがわかりました。
演奏曲のプログラムは数ヶ月前に提出してありましたが、そのうち数曲を差し替えるよう指示されたのは今日でした。
まだわからないことはたくさんあります。お客様が誰なのか、何人集まるのか、有料なのか無料なのか。これらの情報は、演奏に対する期待度や集中力を推測する上で重要なヒントとなりますが、これもはっきりとしません。
歌と弦楽の共演者がいると聞いていたのですが、それらは私のコンサートの休憩中に「インターメッツォ」的に差し挟まれるとのことで、そこに私がからむ必要はなくなり、私は完全にソロのみを演奏すればいいようです。
ホテル客室で休息を取った後、現地スタッフと早めの夕食をすることになり、上海伊勢丹が入っているビルにある「翡翠」という中国料理店へ。私がまだゴホゴホと咳き込んでいるのを見て、体を温める料理をチョイスしてくれました。
帆立と野菜と生姜の炒めもの
鶏のスープ
野菜饅頭
伊勢海老は料理として楽しんだ後、殻を使って雑炊にしてくれました。
マンゴープリン
食事の間にも打ち合わせが進み、少しずつ情報が増えていきます。コンサートには銀行が招待したVIPも多数来場するので警備が厳しくなるとのこと。想像していたよりも、かなり重要なイベントであることを知り、緊張感も高まってきました。
司会者や私が発言予定の文言にも、すべてチェックが入りました。私の感覚ではお客様を喜ばせるつもりで口にした言葉も、文化の違いによって失礼に当たる可能性は十分にありますので、チェックをしてもらったことで、かえって安心できました。
食事が済んだら、コンサート会場となる「商城劇院」へ。まだ前のコンサートがはねたばかりで、オーケストラの団員も一部ステージに残っているというのに、もう明日のスタッフが機材の搬入を始めているなんて、日本では考えられない光景です。
エレクトーン到着。
垂れ幕の設置。
大型のLEDディスプレイ、各種装飾用機材、楽器、音響機材など、20人近いスタッフが慌しく動き回っています。私はコーディネーターと一緒に、客席で明日の挨拶の練習をしました。明日は英語と中国語でトークをします。
今日は深夜まで仕込みが続くようですが、見ているだけでは役に立ちませんので、ひと足先に失礼することにしました。ホールとホテルは繋がっているので、とても便利です。
43階にある24時間オープンのクラブラウンジで、エスプレッソコーヒーを飲みながら、上海の夜景とともにリラックス。
さあ、明日は2010年の集大成として、マキシマムで完全燃焼したいと思います。