departure

今、成田空港で最終便の搭乗を待っているところです。空港に到着したのは夕方。成田に住んでいる私の最も古い友人のひとりを呼び出し、つい先ほどまで気の置けない会話を楽しんでいました。

考えてみると、その必要がないのに人と会うなんて、記憶にないほど久しぶりのことです。

この友人とは出会った時から気が合いました。趣味も夢も理想もことごとく違う私たちが友と認め合った理由は今でもわかりません。ただなんとなくそばにいて心地よい何かがあったからだと思います。

たまにつまらないコメントを寄せるおぐけんもそんな友人のひとりです。

今日会った友人は、かつてこんなことを言っていました。「例えば互いに同じ喫茶店にいて、それぞれが別々の本を読んだり、思い思いのことに気を取られていても、それが互いに気にならない間柄がいい。」

私も同感です。

ついつい同席している相手に対し必要以上に気を遣って、結局相手にも気遣いさせてしまうというケースがしばしば。そんな心配もなく、互いに自然体でいられる関係は気楽でいいものです。

今夜も急に呼び出したのに、いやな顔ひとつせずにやって来て、他愛ない話に付き合い、「そんじゃ、いくわ」と席を立つ私を、「じゃ、また」と見送ってくれました。

夕方には母国へ帰る外国人や、正月をずらしてレジャーに出掛ける邦人で混雑していた成田空港も、今はひっそりと静まり返っています。ひとりきりで夜空に旅立つにはぴったりの雰囲気。ちょっと一息入れに行ってきます。