石川県で「ごゆっくりと」を意味することばを店名に掲げたホテル内の酒肴。居酒屋の気楽さと居心地を残しながら、ホテルらしい清潔感と折り目正しいサービスが得られる異色の店を訪ねてみました。
ハイアットリージェンシー東京には日本料理店「佳香」がありますが、そのすぐ脇に構えているのが、この「omborato」です。一見、競合するような形態にも思えますが、それぞれどのような特色を打ち出しているのでしょう。
「佳香」は見た目にも美しく優雅な会席料理を主としており、盛り付けにも繊細さを込めた女性好みする店。祝の席や、マダムたちのランチがよく似合います。
一方「omborato」は、酒肴とある通り、一品料理とともに、豊富なラインナップの日本酒や焼酎を味わいながら、気の置けない仲間たちと過ごすのが似合います。
店は白を基調とし、数々の招き猫たちがディスプレイされるなど、とかく男性的な内装になりがちな酒肴には珍しく、女性でも気兼ねなく使える雰囲気を兼ね備えています。
入口近くにはカウンター席もありますし、鮨「みやこ」も同店の中にあるので、酒肴としてだけでなく、様々な用途に使えます。
今回は日曜日の夜とあってか、店内は静かでした。BGMのライトミュージックがいささか不釣り合いだと思いましたが、サービスもまた物静かで、丁寧さが際立つ印象でした。
夜のメニューは豊富な一品料理のほかに、3種類のセットと2種類のコースがあります。そして気軽なパーティに最適な、6,000円で料理とフリードリンクが含まれるプランも用意されています。
今夜は「飲む」というより「食べる」が主目的でしたので、料理長特撰コース「香林」11,000円を注文しました。
まずは箸染にあんきも。単品オーダーの場合、アルコールを注文すると550円の通し料が加算されますが、コースの場合は不要のようです。
続いて旬菜小鉢五種盛り。思わずお酒が欲しくなる内容です。
そして造り。
炊き合わせは2種類よりチョイスすることができ、白魚の柳川を選びました。
焼物は3種類から選べます。こちらは銀鱈の西京焼。
強肴は海老のすり身揚げ。アジアンテイストの一品です。
食事はお好みにぎり6貫。にぎりずしのリストが差しだされ、その中から6品を選んで注文するスタイルです。お吸い物添え。
最後にフルーツ。
想像以上にボリュームがあり、量的にも大満足。これなら男ばかりの集まりでも十分いけます。ただ、期待していた鮨は、シャリの感じもネタの状態も私の好みとは違っていました。実際のところどうなのか、今度は鮨カウンターで判断してみようと思います。