クラシック演奏家は、どこかイモな感じがつきまとう。まだそんなイメージを消し去れない方も少なくないのではないでしょうか。逆に、垢抜けたイメージを持つクラシック演奏家は、肝心な音楽が中途半端でルックスに頼っているとも思われがちですが、まあ、いずれも当たらずとも遠からずといったところです。
今日ご紹介するコンサートは、決してイメージ戦略ではありません。断然、「中身で勝負の覚悟」で、このステージに懸けています。
二胡のツァオ・レイ、ピアノの米津真浩、そしてエレクトーンの私。この3人に、共通点は多くありません。それぞれ持ち味も、経験も、人生も、まったく違いますし、音楽的にも重なる部分はごくわずかです。
今回の企画をするに当たり、私はその「相違点」に着目しました。「単に気が合う同士で何かをやっても面白くない」というのが、私が「一匹狼」としてはじき出した経験上の鉄則です。
例えば、米津さんは私にとってみれば息子ほども若く、まずもって世代の価値観がまったく違います。そして彼は音楽的なエリートコースを歩んできた前途有望な優等生。私みたいな異端児とは血筋が違います。
一方のツァオ・レイさんは歴史ある上海民族楽団の中心的人物でありながら、ソロ奏者としてさまざまな芸術家たちとのコラボレーションにも精力的に取り組む、中国の若手人気ナンバーワンプレイヤー。住む世界が違います。
でも、縁があって出会った3人は、互いに自分が持っていないものを相手に見出し、そこに敬意を持つことで次第に打ち解けて来ました。
米津さんとは、昨年初めて出会って、彼の演奏をろくに聞きもしないで、私が率いる幾つかのツアーに参加してもらいました。私の直感には狂いはなく、彼は期待以上の演奏をしてくれました。
彼もまた、日頃彼を取り巻く環境では得にくいものを、私の世界から感じとり、それを彼自身の誇りや糧として役立ててくれています。最初のステージで人生が変わったとも言ってくれました。
ツァオ・レイさんは、私の上海での公演にいつも来てくれます。そして、終演後のレセプションや、プライベートな食事などを通じて、彼の世界観や将来の展望を聞いているうちに、言葉ではなく音楽で会話してみたいと思うようになりました。
米津さんも、ツァオ・レイさんも、ステージでは極めてダイナミックな演奏をしますが、同時にとてもナイーブな精神を持っていて、彼ら自身がまだ気付かない魅力がたくさん眠っていると見込んでいます。
彼らの持ち味を十分引き立てながら、その辺を刺激して行ったら、どんな面白いことになるだろう、というのが私のもくろみです。
もちろん私だって引っ込んでなんかいません。思い切り演奏して、ベテランの風格を見せつけようと思います。
こうして繰り広げられる3人のバトル。そしてその中の絆。正直、どんなコンサートになるのか見当もつきませんが、理屈抜きで面白いステージになることは間違いありません。
今回の試みには、エレクトーンシティ渋谷と、セラ・コミュニケーションズのパワフルで愛情溢れるバックアップをいただきました。
ツァオ・レイさんを中国から招聘するだけでも、大きな経費が掛かりますが、会場やコーディネートの点でサポートしてもらえるお陰で、なんとか実現の目処が立ちました。
ささやかなコンサートですが、アジアの旬を奏で、アジアのパワーを世界に示す第一歩になればという思いを込めて、3人で精一杯プレイします。平日の夜ではありますが、どうぞご来場下さい。お待ちしております。
oriental sences ~アジアの今を奏でる3人の男たち~
日時:2011年4月13日(水) 18:00開場/18:30開演/20:00終演予定
会場:エレクトーンシティ渋谷 3階 メインスタジオ
出演:ツァオレイ(二胡)、米津真浩(ピアノ)、神田将(エレクトーン)
チケット:券種は2種類ございます。
Sシート—5,000円(エリア指定席)
一般席—3,000円(自由席・前売券)、4,000円(自由席・当日券)
Sシートは最前列中央部分10席と2列目中央部分10席の計20席限定。
エリア指定制で、Sエリア内のお座席に先着順でお掛けいただきます。
Sシートの当日販売はございません。
一般席券をお持ちの方は、Sエリア以外のお席にご自由にお掛けいただきます。
お申し込みはメールにてYKsonicマネジメントチームが承ります。mgt@yksonic.com
お名前、ご希望券種、枚数、チケットお送り先住所をお書き添え下さい。
チケットの確保ができましたら、チケットとお振込案内をご郵送いたしますので、到着後1週間以内に代金をお振込下さい。
お申込みお待ちしています。