弾かせたい曲、大募集

今日はバレンタインデーですね。私にとって今年のバレンタインデーは10日のサロンコンサートでしたので、今日はフツウの日。でも、今にも雪変わりそうな冷たい雨ですから、今日がサロンコンサートでなくてよかったのかもしれません。

今年の2月14日は、私にとって特別な意味があります。それはリサイタルのちょうど8ヶ月前に当たる日だからです。

10月14日に浜離宮朝日ホールで開催が決まったリサイタル。まだまだ先のことと思っていても、あっという間にその日がやってきます。そのリサイタルを意識して準備を始めるのが、いつもおよそ8ヶ月前なのです。

当日までずっとリサイタルに集中できるのであれば、もっと間際からの準備でも大丈夫ですが、それまでにも多数のコンサートが控えているので、今から準備しても実質20日くらいしか時間が取れません。

仮に10曲を仕上げるとすれば、1曲につき2日しかないことになります。こうして文章を書いているそばから気が焦って来ました。

さて、今年は何を弾きましょうか。やりたい曲は数知れずあります。世の中には素晴らしい作品が溢れていて、それらにいつでも手が届く環境にあるということに感謝するとともに、作品を生み出した作曲家に対し平伏します。

リサイタルで演奏する曲には、どれも深い思い入れがあります。毎年30曲ほどの候補を決め、演奏会の流れや音楽の起承転結を踏まえて、全体を通して聞き応えがあって心地の良いプログラムになるよう、その中から吟味します。

毎回、「ダンス」であったり「水」であったりと、隠れたテーマを設けており、演奏会全体がひとつの作品として調和するよう意識して組み立てます。

そして曲を選ぶ上で欠かせないのは、聞き手のリクエストです。リサイタルで弾きたい曲ばかりを集めたプログラムにすると、聞き手と弾き手との温度差が大きくなりすぎます。

かといって、リクエストにだけ100パーセントお応えしていたのでは、私の側からのご提案ができなくなってしまいます。

「私がお届けしたいのはこの曲です」という主張と、「これがお聞きになりたかったでしょう」というサプライズのバランスが大切なのですが、実際はどうしても主張の方が大きくなりがちです。

2010年リサイタルも、アランフェス協奏曲やラプソディ・イン・ブルーなど、リクエストで組み入れた曲が半数以上でした。

そこで、皆様にお尋ねします。神田将にどんな曲を弾かせたいですか?
クラシックに限りません。「私の作った曲を弾いて欲しい」という売り込みも歓迎です。

すべてにお応えできるわけではありませんが、どんなリクエストも、今後の参考としてしっかり耳を傾けさせていただきます。

3月20日の明石リサイタルへのリクエストも多数頂戴しています。すべて弾いたら「朝まで公演」になってしまいますが、ご要望を念頭に置きながら選曲を進めています。

明石リサイタルも、あと一ヶ月あまり。当日はELS-01Xとともに、私が希望したスピーカーKA75を2本用意してくれる方向で調整中と、ご担当者より連絡をいただきました。パワフルで温かい音をお届けできそうです。

こうして選曲をしているだけでも、ワクワクが止まりません。それになんだか急に弾きたくて仕方なくなってきました。

ハワイの海を思い出させてくれる益子焼のお気に入りカップで珈琲ブレイクしたら、すぐにエレクトーンに向かって気持ちよく弾きまくります。