shoeshine boy

7日ぶりに帰宅しました。でも、また明日から旅に出ます。デスクでは薔薇たちが私の帰りを待ってくれていました。留守がちな私のためにと贈られたプリザーブドフラワーです。

数年はこのままの姿を保つのだそうですね。手を触れた時の感触は生の花そのものですし、色も鮮やかです。この他にもいくつかのプリザーブドフラワーアレンジメントが、いつもデスクの傍らで気分を和らげてくれています。

さて、今日は靴の話題です。エレクトーンはご存知の通り、足鍵盤がありますので、演奏に際しては靴の選択にも気を配ります。

男性の場合は革靴かスニーカーかという二者択一からスタートしますが、女性の場合はもっと複雑で難しいようです。

ハイヒールはまず無理でしょう。また、ヒールが低くても、幅が狭いものは鍵盤と鍵盤の隙間にハマってしまうこともあるので、あまり好まれません。

コンクールなどで多く見かけるのは、バレエシューズのような底が薄く、底面の感触がわかりやすいタイプのものです。

でも、正直、あまり見栄えは良くありません。せっかくステキなドレスをまとっているのに、足元がこれでは・・・・といつもガッカリします。

装いにおいて、靴の役割は非常に重要です。なにも人の「足元を見る」わけではありませんが、足さばきも芸の内であるエレクトーン演奏では、否が応でも足元に目が行きます。

私はどんな靴を履いていても演奏に差し支えることはありません。初めて履く下ろしたての靴でも大丈夫。底が革でもゴムでもまったく気になりません。サンダルでもスリッパでもへっちゃらです。

逆に、裸足では弾けません。10分も弾いたら出血してしまいます。

私はこれまでずっと靴を履いて稽古をしてきました。おそらく多くの皆さんが、自宅では素足のまま稽古していることでしょう。

それでは足の感覚はいつまで経っても靴を履いた状態に慣れてくれませんので、せめて稽古用の上靴を用意して、常に靴を履いて弾きましょう。上履きじゃないですよ、上靴ですからね。

更に言えば、あまり弾きやすさを意識した靴選びをしないことをおススメします。靴を履いて弾くということは、人前で弾くことを意味するのですから、服装に合った、見栄えのいい靴を選びましょう。

私はタキシードを着ることが多いので、ステージ用のエナメルシューズを4足用意してあります。他に、ドレスシューズが3足。いずれも足形にぴったり合わせてありますので、どこかが当たって痛いということはありません。

これはステージ用の靴に限ったことではありませんが、同じ靴を連日履くことはしません。1日履いたら必ず吸湿性のあるシューホーンをはめて一晩休ませます。

それからそれぞれの材質に合った道具で丁寧に手入れします。愛情を注いできちんと手入れすれば、大抵の靴は長持ちします。

ミラノで作ってもらった靴は、25年経った今でも新品同様です。デザイン的な古さは否めませんので、あまり人前では履きませんが、プライベートな時には使っています。

今日も、靴たちをずらりと並べて、片っぱしから手入れ度合いをチェックし、すべてが好ましい状態になるまで、靴磨き屋さんごっこをしていました。

時折、楽屋で共演者の靴を磨いてやったりしますが、私はこういう作業が元来好きなのかもしれません。

私の演奏会では、皆さんの視線が靴底にまで注がれていることを知り、隅々にまで気を配っておくことの大切さを思いました。

これからも、足裏でも皆さんを魅了できるよう、華麗な足さばきと靴選びを心がけます。