ともに生きようと誓う

みちのくより次々に舞い込むメールに、よくぞ無事でいてくれたと安堵することしばしば。それを開封する度に、私の胸には熱いものが込み上げ、送り主よりもはるかに整った環境にある我が身を憂いつつも、生きてる実感が呼び覚まされたような気がします。

東北の人たちの逞しさに、むしろ勇気づけられているのは、私を含めこれまで軟弱になっていた日本全土の人々。もうこれ以上、私たちは世界の笑いもののままでなんていられません。

しおれかけていた魂をふたたび奮い立たせてくれた東北の皆さんに感謝。
今を乗り越えさえすれば、私たちの未来は明るいに違いありません。

昨晩もまた眠れぬ夜を明し、真っ赤な目をしたまま和歌山の特別講座に向かいました。

会場は、お馴染みの宮井楽器さん。昨年2度のコンサートを主催してもらった縁が膨らみ、エレクトーン上級を目指す子どもたちのレッスンを、不定期ながら受け持つことになりました。これが現在、希望することで私の稽古が受けられる、世界で唯一の機会です。

今日は朝から夜までびっしりのスケジュール。途中、休憩も挟まれますが、結局はギリギリまでレッスンしてしまうので、水を口に含むくらいしか間がありません。それでも、この日を楽しみにしている生徒さんや担当講師さんの期待に応えるため、私も精一杯張り切りました。

私にとっても、熱意ある子どもたちと出会うのは、何よりの楽しみです。多くの子は、コンクールに向けた準備や仕上げが第一目的です。それはそれで重視しますが、同時に、5年後、10年後の糧となる「本当の音楽力」を植えつけられるよう心掛けています。

すべてのレッスンを終えての帰り道。ふと自分自身の後ろ姿が、自分ではシャキッとしているつもりでも、どことなく老けたように見えたのではないかと気になりました。

今夜で3泊目となる滞在中のホテル。まだ一度もベッドを使っていません。これからまた作業に取り掛かるつもりでしたが、なんと点検のため、これから停電になります。

パソコンだけはなんとか電池で駆動しますが、すべての電気系統が停止するので、暖房も照明もテレビも使えません。

通常、停電を伴う作業がある場合は、サイト上で告知したり、すでに予約している人には連絡を入れたりするものですが、ここでは当日になって内容が書かれた紙を一枚、部屋に置くだけです。

あらかじめわかっていれば宿泊を取りやめたかもしれませんし、そのまま滞在するとしても何らかの心構えができましたが、急に知らされたのでは困惑してしまいます。これでは案内不足ですし、とても不親切です。

実は昨年も同じホテルで同じことが行われている日に滞在しました。その時にも、早い機会に知らせられたはずなのに、それを怠るのはよくないと苦情を言いました。すると、責任者は「次回同様のことがある場合は告知を徹底し、予約日と重なっていれば必ず連絡する」と約束しました。

にもかかわらず、前回とまったく同様の対応だったので、信頼を損ねられたように感じ、私は本気で怒りました。今年に入って、初めてのこと。「怒らず記録」は72日で崩れました。

電気が使えないことを本気で怒ったわけではありません。約束を軽んじられたことも不愉快でしたが、ただのつまらない客相手とはいえ、約束を無視するような男であってほしくないという思いが一番強かったような気がします。

責任者は「決して軽んじているわけではありません」と断言していました。その信念は尊ぶけれど、軽んじてもいないのに、事実私をこんなにガッカリさせているのだから、どこかにおごりがなかったか、もう一度心の中をよく確かめた方がいいと言い残して部屋に戻りました。

まもなくホテルは暗闇に包まれます。いい機会です。心に灯りを燈し、やがて訪れる日々を共に生き抜くために、深く強く、祈りをささげたいと思います。