3月16日の新潟・長生館に於けるスペシャルディナーショーは、一時は開催そのものが危ぶまれながらも、お客様の熱いご期待に支えられ、盛会に終えることができました。その一日のレポートをお届けします。
集合は東京駅。JRより、上越新幹線は本数を減らして運行との発表がありましたが、いったいどの列車が運休するのかといった具体的な情報がまったくありませんでした。
予定の列車は本当に運行されるのか。不安を抱えながら、予定列車の発車1時間前に集まりました。いち早く駅に到着したのはエージェントIZU。その調査によれば定刻通りの運行とのこと。これでひとまず安心です。
新潟駅では長生館の担当者が車で出迎えてくれました。駅前に雪はほとんど残っていませんが、風は冷たく、身が縮むようでした。これから約1時間のドライブです。
走るにつれ、雪が深くなっていきますが、すでに降雪はやんでいました。順調に長生館に到着し、まずは全員で顔合わせ。女将さんをはじめ、多くのスタッフたちが歓迎してくれました。
私たち一行は、いっこく堂さんと私、そのそれぞれのマネジャー、そしてテレビ取材の担当ディレクター、あわせて5人です。
テレビ取材は、最近メディア露出が活発ないっこく堂さんをドキュメントで追跡する番組のもの。ひょっとしたら今日のステージやバックステージの様子が一部オンエアされるかもしれません。今日はほぼ密着でカメラが回っています。
ふと庭園に目をやると、美しい雪景色。真っ白な世界に、木々の濃い緑が見え隠れしています。コーヒーを飲みながら簡単な打ち合わせを済ませ、私とエージェントIZUは会場へ。いっこく堂さんたちには、しばらく休憩してもらいます。
会場では音響の設営が始まったばかりでした。ステージはとても狭いのですが、ふたりで呼吸を感じながら進めるにはちょうどいい広さ。長生館では、最近グランドピアノを購入したとのことで、ステージが一層狭くなりました。
音響のセッティングが整ったところで、エレクトーンのサウンドチェック。会場はかなり縦長な構造なため、手前と奥とで音量や音質が大きく変わってしまい、すべての客席に心地よい音を届けるには、かなりの試行錯誤が必要でした。
その後、いっこく堂さんを交えてコラボ部分のランスルーリハーサル。お互いにキッカケやタイミングを確認しながら、一通りやってみました。問題なし。一発OKです。
いっこく堂さんにはそのままリハーサルを上がってもらい、私は時間までソロのリハーサルをしました。今日の演奏曲目に加え、明石で演奏予定の曲にも手を広げておきました。
やがて時間となり、お客様の受付が始まりました。私は一度客室に戻り、本番に向けた身支度に取り掛かりました。
そして今日の開催を案じてくれていた、岩手をはじめとした全国の皆さんに、いっこく堂さんとのニッコリ2ショットをメール。
大変な時に、ニッコリ顔の写真なんて失礼だろうかとも思いましたが、笑顔を見て気分が晴れたと返事をくれ、心地よい笑いは救いになると言ってくれました。
その言葉をいっこく堂さんにも伝え、いつも通り明るく、誠心誠意、どこにもないオリジナルステージをお届けしようと誓い合いました。
いよいよ本番。お食事も済み、お客様はすでにご満悦です。人数も、かなりのキャンセルが出たとのことですが、昨日のブログを見て急遽参加してくれた方などもいて、かなりいい感じの入り具合に落ち着きました。
まずは私のソロ。明るく元気な曲と、しっとりと深く歌い込む曲、そのコントラストを鮮明に打ち出した選曲にしました。うち何曲かは、祈る思いで演奏しました。
エレクトーンソロの間にも、舞台裏ではいっこく堂さんの撮影が続きます。
ソロのラストはラプソディ・イン・ブルー。思い切り大胆に弾いた後、いよいよいっこく堂さんの呼び込みです。まずは師匠といっこく堂さん一緒に、歌を歌いながら客席を練り歩きました。
続いて、新しく用意した松山千春さんの歌。こちらもバッチリ決まりました。途中で西条秀樹さんや野口五郎さんが登場するとは知りませんでしたので、びっくりしながらお伴しました。
そして、私が大好きな「サトルとジョージ」。また一段と冴えた演技に進化しています。
次は「腹話術教室」。あの「衛星中継」を、会場の皆さんと一緒に練習しました。もちろん、私もトライします。いっこく堂さんのようにはできませんが、ちょっと腹話術らしい気分を味わえるようになり、ワクワクしました。
最後は、会場のお客様から代表おひとりにお越しいただき、「本音マイク」によるパフォーマンス。お客様も素晴らしいエンターティナー振りを見せて下さって、会場全体が大変な盛り上がりとなりました。
コラボのステージでは、絶えず会場に笑い声が響いていました。その笑いには温もりが感じられ、とても気持ちのよいものだった思います。
そしてアンコール。私がどうしてもいっこく堂さんに歌って欲しかった「生きてるだけでそれだけで」をリクエストさせてもらいました。
シンプルなメロディーと歌詞にのせた私たちの思い。どこまで響いたかわかりませんが、どうかこの響きが、絶えることなく、人から人へと続いていくよう、心から願いながらの終演となりました。
長生館の皆さんにも、このタイミングでの実施には大きなご苦労があったに違いありません。ですが、とてもハッピーな気分になってお帰りになるお客様をお見送りしている姿には、歓びが満ち溢れていました。この日の音楽と弾む心がどこまでも響きますように!
いっこく堂さんのブログにもちらっと、また長生館さんのブログにも書いて下さっています。のぞいてみてください。