ソロ、アンサンブル、あるいは私自身が演奏するのではなく、編曲だけを頼まれたオーケストラスコアなどなど・・・周囲は楽譜だらけです。
紙の楽譜もそれはそれで保存しておきますが、咄嗟の時にでも使いやすいようにするには電子化するのがいいと、友人から勧められました。でも、なかなか面倒な作業です。
かつてはすべてを手書きで仕上げていました。同じ音形が続く時でも、ひと玉ずつきっちり書かなければならないので、かなり根気のいる作業でした。
でも、譜づらに人間味が表れるというか、思いが伝わりやすいというか、手書き譜には独特の魅力があり、今でも時折手書きしたくなります。電子メールと手紙の違いに似て、それらは根本的に違うのかもしれません。
一方、電子楽譜は、ノーテーションソフトという、楽譜作成専用のコンピュータソフトを使います。効率は飛躍的に向上しましたし、調を変えるなどの手直しも楽にできますが、逆に手書きなら難なく表せることなのに、難しい操作が必要な部分もあります。
そのため、私自身が演奏することを目的として作った楽譜には、自分しかわからない曖昧な表記が多数残っており、いわば完成形になっていないものが少なくありません。
こうした未完部分は、いずれ自分自身でも、どうしたかったのかわからなくなってしまうので、覚えているうちに補足しておく必要がありますが、これこもまた根気のいる作業です。