旬の天ぷら会席を食べようと誘われ、都ホテル東京の大和屋三玄に行ってきました。揚げたてをカウンターで味わう天ぷらは、大好物のひとつ。食事制限中の身でありますが、今日ばかりは欲望に任せます。
ところが、店に着くなり、手違いがありました。案内された天ぷらカウンターは、8席が所狭しと詰め込まれた窮屈な場所。ゆったりとしたテーブル席や一般カウンターとはかなり趣きが違います。
この季節は、旬の天ぷら会席を売りにしているだけあって、天ぷらカウンターが人気なのはわかります。でも、そこに座る多くのお客が喫煙しながら食べているのには、ドン引きしました。
今回の予約は、店に直接ではなく、なじみ深いフロント係に入れてもらいました。その方が、融通がきき、細かい情報もフォローしてもらえると踏んだからです。
予約はスムーズに取れたと報告をもらい安心してましたが、喫煙・禁煙については、なんら断りがありませんでした。
この大和屋三玄はホテル直営ではなく、テナントです。今の時代、ホテル直営であれば、カウンターでの喫煙など考えられないことです。しかし、この店は、カウンターを禁煙にするようにというホテルからの再三の要望を断り続けていると聞きました。
どんな思惑があるのか知りませんが、せっかくの料理の味に喫煙が与える悪影響を無視するとは、老舗高級料理店らしくありません。
いずれにしても、カウンターで天ぷらを味わう気分ではなくなりましたので、禁煙のテーブル席に移り、他のものを注文することにしました。
テーブルでも天ぷらを味わうことができますが、カウンターで揚げたてをと意気込んできただけに、皿にまとめて盛られてくるものを食べる気にはなれません。
そこで、土曜、日曜、祝日限定の特別メニュー「御津(みつ)」を注文しました。先附、炊き合わせ、造り、メイン料理、デザートがセットになって9,240円。メイン料理は、黒毛和牛香味焼き、天ぷら、握り寿司の3種類から選べます。
先附はくらげの胡麻ソース。
焚き合わせは南瓜饅頭のみぞれ揚げ。
造りは鰹。
メインは寿司を選びました。ヒカリモノは避けてもらいました。
デザートはグレープフルーツのレモンシロップかけ。
サービスはとても丁寧で気配りを感じましたが、料理の間隔が空きすぎたり、寿司を食べ終わってから赤だしが出てきたりと、タイミングはよくありませんでした。
せっかくの立派で落ち着いた設えや、見事な料理人の腕前がありながら、古い体質で現代のお客をガッカリさせているようではいけません。伝統を大切に、でも、時代には逆らわずに、美味しいものを提供し続けて欲しいものです。