急に串揚げが食べたくなり、さくらタワーにある「七軒茶屋」に予約を入れました。揚げたてアツアツの串揚げを想像するだけでもお腹が鳴って、待ちきれない気分のまま稽古に勤しみました。
店には時間通りに到着。入口で名前を告げ、案内されるのを待ちます。ほどなく和服姿の若い女性から声が掛かり店内へ。用意されたテーブル席に落ち着き、まずは新潟は村上の銘酒「〆張鶴」を注文しました。
食事のメニューを眺めますが、串揚げがありません。冷酒を持ってきた係に尋ねると、串揚げは専用カウンターのみでの提供で、今日は満席だとのこと。・・・残念・・・
でもせっかく来たのだから、このテーブルで注文できるものを選びましょう。コース的なものは4,500円から10,000円まで4種類ありますが、その中から8,000円の茶屋会席に決めました。理由は最後の「しらすご飯」に惹かれたからです。
まずは前菜。宇治湯葉豆富、海老黄金焼き、蟹磯辺揚げ、半熟玉子、姫さざえ、蒸帆立、枝豆田舎煮。これらが盆に華やかに並びます。
造りは鰹と烏賊。特に鰹が美味でした。
焼物は鰆南部焼きに焼きアスパラと丸十蜜煮を添えてあります。
煮物は、茄子、里芋、南瓜、蓬麩、焼目湯葉、青味。
油物は、甘鯛あられ揚げ。添えられたタラの芽が印象的。
食事はしらす御飯に赤出汁と香の物。
甘味は牛乳プリンとスイカ。
料理は郷土色のある素朴で懐かしい味わいが中心になっており、全体的に好印象でした。
しかし、タイミングはよくありません。料理と料理の間が20分以上掛かることが重なり、もう少しテンポよくとリクエストしても、一向に改善しませんでした。
サービスは一言でいえば「荒れた」感じでした。振舞いが乱雑で、皿を出し下げする時のスピードは、まるで「かるた取り」でした。
お客と接していないところでスピーディかつ効率的に作業することは大切ですが、ひとたびテーブルに介入したら、お客のテンポ感に合わせた振舞いをするべきです。
皿の向きを上下逆さに置いたり、挙句にはガチャンと音を立てて置いたり。控えめに言っても「乱暴」の域を出ませんでした。
でも、そんな振舞いをしたくてしているわけでもなさそうです。とにかくスタッフが少なすぎます。130席以上ある店を、たった数人で回しているのですから、丁寧さまで確保できないのかもしれません。
おそらく厨房もいわゆる「パンク状態」だったことでしょう。一度は同情の目で見ますが、次にこのようなことがあれば、信頼は取り返せなくなります。ぜひ勤務条件から改善してもらいたいものです。
いまひとつ気分がよくありませんでしたので、珍しくバーに立ち寄り、先月小樽公演の際に立ち寄ったウィスキー工場を思い出して「余市」を味わいました。
雨の東京ナイト。グラスを傾けながら、今夜もスローライフを送っています。