今では高層ビルが林立する西新宿で、初めての高層ビルとなった京王プラザホテルは、この6月5日で開業40周年を迎えます。開業当時、47階の展望台に上がるために長蛇の列に並び、まだ遮るもののなかった高層階からのパノラマに息を呑んだことが、ついこの間のように思い出されます。
現在、展望台は宴会場へと姿を変えましたが、コーヒーハウス「樹林」は、内装こそ新しくなっても、40年来のメニューを残しながら、日々ホテルを訪れる人々をもてなし続けています。
気軽に利用できるホテルのコーヒーハウスでは、定番料理からオリジナル料理まで、幅広いラインナップが魅力です。ここ「樹林」はメニューに写真が添えられ、イメージがつかみやすく、旅行者にも好評だと聞きます。
店内は座席がとても多く広いのも、巨艦ホテルならでは。明るい店内からは、ホテルと道路の間に植えられた木々を望み、都会のオアシスのような雰囲気です。
今回は、ハンバーガーを注文しました。ふつうのハンバーガーではなく、「白いバーガー」です。
白いバンズはふっくらやわらかいのかと思いきや、結構しっかりとした硬さがありました。ボリュームは日本人の女性でも多すぎない程度なので、私にはちょっと物足りないくらいでした。
食後には懐かしい名物デザートの「マロンシャンティー」。オーダーごとに仕上げられるので、タイミングによって味が微妙に違います。
今回は、見た目的には少々雑な印象ですが、決め手になる中のメレンゲの状態が素晴らしく、とても美味しかったです。
「樹林」の前にはフードブティック「ポピンズ」があるのですが、その店先に開業40周年を記念して制作された飴細工が展示されていました。
そのすべてが「食べられる」のだそうですが、その精妙さと美しさに驚きました。ホテル外観をイメージしたタワーやリボン、花といった装飾も素晴らしいのですが、一番目を引いたのが、傍らに添えられた本。
この本は粉糖とゼラチンを粘土状にしたパスティアージュでできていると説明書きがありました。まさに美味しい芸術ですね。