新酒を味わう会から一夜明け、帰京までの時間を利用して、半日の上田散歩を愉しんで来ました。
上田には歴史に彩られた見どころがたくさん。ちょっと足を延ばせば、名湯や高原などのヒーリングスポットもありますが、今回はちょっぴりユニークな場所も訪ねてみました。
この写真は昔ながらの風情を残す北国街道の柳町通りにて。上田は映画ロケがたいへん多く、この付近もさまざまな映画に登場するのだそうです。「犬神家の一族」や「たそがれ清兵衛」などが特に有名だと聞きました。
昨日の「新酒を味わう会」を主催した和田龍酒造も、この北国街道(北国脇往還)を西に進んだ静かな場所にあります。店構えに何らけれんがなく、やもすれば見過ごしてしまうほど周囲に溶け込んでいますが、そこにまた心意気を感じずにはいられません。
風通しのよい土間で茶や粕漬けをいただいた後、奥にある酒の貯蔵庫を見せてもらいました。ご主人の説明を聞くと、酒を世に送り出すにはさまざまな段階があり、それぞれに手間暇がかかることがよくわかりました。
店内では試飲もできます。お近くにお出かけの際は、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。店内には私のポスターも貼ってあります。やくざ映画の宣伝にしか見えませんけど。
ランチは信州そば。ひっきりなしにお客が訪れ、目が回るような賑わいです。でも、蕎麦屋にはそれが似合いますね。
今回は上田ならではの「くるみそば」にチャレンジ。ペースト状にしたくるみの甘いタレに、そばつゆを加えて味を整えます。あとは、ふつうのそばと同じようにつけていただきます。
並盛りで500グラム、大盛りだと1キロだとか。そば好きの私も、さすがに並盛りで十分満足でした。
上田城跡に天守閣は残っていませんが、全体が緑豊かな公園になっており、神社や博物館もあります。さわやかな風に吹かれ、一日中寝そべっていたいような雰囲気でした。
赤い鉄橋の脇を横切って向かったのは、夢ハウスあずさ号という民宿&レストラン&靴工房。とてもユニークで夢いっぱいのスポットです。
敷地には本物の特急車両が。線路が繋がっていないのに、どうやってここまで来たのでしょう。その秘密は館内に写真とともに解説が掲示してありました。
そして、建物の中に入ると、また別の特急車両が停まっているではありませんか。オーナーさんが、気さくに「どうぞ中へ」とすすめてくれましたので、建物内の「プラットホーム」から「乗車」しました。
最新型の車両にはない重厚感、そして特急列車独特のにおいが懐かしくてたまりません。
車内には本物の座席が一部残されており、そこで食事もできます。駅弁が食べたくなりますが、こちらもそばが自慢だそうです。ユニークなのは床が畳敷きになっていること。お座敷列車の趣きですね。
なんと、こちらの車両は宿泊も可能。トイレや洗面所はリニューアルされて使いやすくなっています。
さすがに列車は動きませんが、雰囲気はまさに本物。コーヒーを飲んでいると、扉が閉まり、オルゴールの音色で奏でられる鉄道唱歌のメロディーが流れて来ました。そしてオーナーによる車内アナウンスの後、発車合図の汽笛が鳴り、本当に動き出すかのようでした。
これらは鉄道ファンや実際の鉄道エンジニアの人々のサポートがあって、このような良好な状態が保たれているのだそうです。
運転台にも座らせてもらいました。かなり高い位置にあるのですね。計器やスイッチもたくさんあってコックピットのようでした。次回は鉄道員のコスプレにチャレンジしてみたいものです。