今晩は、東京文化会館で開催されたサイイエングアンさんのソプラノリサイタルを鑑賞しました。
題して「銀河に舞う調べ」。七夕が近いことからイメージしたタイトルだろうと思います。
満場の賑わいを見せる客席の灯りがぼんやりと絞られると、ステージにピアニストが登場。まずはしっとりとしたソロを演奏して、会場を音楽の世界に。
続いてサイイエングアンさんが姿を現すと、待ってましたとばかりに、大きな拍手が沸き起こりました。
衣装はコシノヒロコさんデザインの、和紙を使った大胆なドレス。モダンながらもエレガントで、場内のカラースキームとぴったりマッチしていました。
一曲歌うごとに会場からはため息がもれ、うっとりと聞き惚れているのが伝わってきます。
やはり圧巻は「愛する小鳥よ」。まだ聞いたことのない方は、ぜひ一度聞いてみて欲しい曲。何度聞いても素晴らしいと思います。
休憩をはさんで第2部にはオペラアリアを4曲。途中、解説を挟みながらも、極めて繊細な作品を40分も歌い続けるのは、たいへんなことです。
その表情の細やかなこと。私もまばたきするのも惜しい気持ちで聞き入りました。
と同時に、比べるのが間違いかもしれませんが、エレクトーンでこのような圧倒的な表現をするにはどうしたらいいのかと、そのヒントをずっと探り続けていました。
声はその人の個性そのもので、基本的には変わることがありません。また、通常は単音しか発することができません。エレクトーンとは全く逆ですね。
ある意味、シンプルな素材である「声」は、あらゆる楽器を寄せ付けないほどの存在感を持っています。シンプルなのに、すべてを表現してしまう。どうやって声に近づくか。それも課題のひとつです。