「源氏」の松花堂弁当 at ヒルトン大阪

ヒルトン大阪のレストランは、朝も昼も夜も、食べ放題のオンパレード。あれこれとバラエティを楽しみたい時にはぴったりなのですが、軽く少し、でも美味しいものを、という気分の時には迷います。

そこで日本料理「源氏」を覘いてみることに。入口で構えるアテンダントからもランチメニューの案内があり、弁当なら手っ取り早くて量も控え目だろうと、注文を心に決めて店に入りました。

喫煙、禁煙の希望を尋ねられたので、禁煙席を選びました。ところが、店はガラガラなのに、喫煙席のすぐ隣に座らされるはめに。かなりタバコのにおいが強かったので、席を替えてもらいました。

店が空いていると、働く方も気が乗らないのでしょうか、全体的にだらりとした雰囲気。そこに、やたらとノリのいいポップな音楽が流れているのですが、まったく似合っていません。

予定通りに松花堂弁当を注文。ひとりで酒を呑む気分でもなかったので、茶をもらうことに。ここでも従業員から「あ~あ」的な空気が感じられ、ちょっとやな感じ。そして割とすぐに先附けと造りが一緒に運ばれてきました。

続いて弁当ボックス。口取り、炊き合わせ、揚げ物、酢の物がきれいに盛り付けられて収まっています。天ぷらは揚げたてでホクホク。

食事は、帆立しんじょうの入った吸物と、とうもろこしの炊き込みごはん。

味は文句なし。とても美味しかったです。最後に一口デザートのずんだ餅が出て来ました。

ここで、食後にコーヒーや紅茶はいかがと勧められたのですが、お茶で十分なので断りました。この時、茶は空っぽ。注ぎ足してくれるだろうと思ったのですが、それっきり。コーヒーを頼まなかったからでしょうかね。

食事はとても美味しいのに、サービス的にはあまり波長が合わない感じがしました。

ふと寿司カウンターを見ると、年配の女性がひとりでお好み寿司を楽しんでいます。オーダーメイドのワンピースに、高価なバッグ。きっとどこかの社長さんか、その令夫人といった感じです。

醸し出す雰囲気が小樽のゴッドマザーにとてもよく似ていたので、思わずじっと見つめてしまいました。ご婦人はこちらに背中を向けているので気付かなかったでしょう。

私の方が先に食べ終わり、席を立ちました。その時、ほんの数秒だけ目が合って、自然と互いに微笑みを投げかけ合いました。どうかいついつまでもお元気で。見知らぬ人ですが、そう願わずにはいられなかったのです。