スタミナをつけるため、うなぎを食べようと入った「佳香」。昼間は奥様グループを中心に賑わっている印象がありますが、この日は季節外れのリゾートのようなしっとりとした雰囲気でした。
先にテーブルについて食事を楽しんでいるのは、いずれも常連と思われる2組の老夫婦。会席料理にボトルワインを合わせているなんて、粋な方たちです。
店が静かだと、当然、サービスも落ち着いた物腰で行われます。このムードにすっかり気をよくし、うなぎ気分が、会席気分へとアップグレード。
目に付いたのが、蒸し鮑のステーキの文字。ああ、鰻より鮑だなということで、鮑の含まれる会席「佳風」16,170円を注文。鰻より予算が倍になりました。
食前酒にトマト酒が出て、その後は全12品のコース。まずは箸染「芋茎と帆立の胡麻和え」。
御才は2段の盆で運ばれてきました。上段は色鮮やかに。海老芝煮や鰯生姜煮が特に美味。下段にはさっぱりとうざく。鰻にもあやかれました。
お椀は「湯葉擂り流し」。京都の雑煮のような感じ。濁った汁に順才というのも珍しい気がしました。
造りは「石鯛の薄造り」。これはとっても美味しかった。甑島を思い出します。
焼物は「伊勢海老の木の芽焼」。実はこれ鶏肉ですと言われたら信じてしまいそうな食感・・・これも身がしまっているというのでしょうか。木の芽のスッとした風味が印象的。
温物は「鴨鍋」。この時点でかなりの満腹感が。お隣のお爺ちゃんたちは、よく平らげてるなぁといらぬ感心をしてしまいました。
強肴は、待ってました「蒸し鮑ステーキ」。こちらも引き締まった食感が楽しめ、味もしっかりと染み込んでいます。やっぱりこの会席にしてよかったと思う瞬間です。
もうどうにも満腹!というところに嬉しい酢の物「寄せ若布と蝦蛄の辛子酢味噌掛け」。シャコはフリットにしてあります。
〆の食事は、握り鮨、親子丼、冷やし稲庭素麺からチョイス。注文時に握り鮨を選んでありました。
素麺にしておけばよかったと思いつつ、ヒカリモノは抜いてねと頼んであった寿司が運ばれてきて、まずは一貫ぱくり。あ、美味しい。気が付けばぜんぶ食べていました。
水物はメロンとブドウと洋ナシ。甘味はタピオカ入りぜんざい。
最後に抹茶が出てきてごちそうさま。
旬の素材と夏らしい味覚が食欲をそそり、ボリューム満点ながら、最後まで美味しく食べられました。サービスのタイミングもよかったです。
満足して店を出てから、あっ・・・割引券を持っていたのを思い出しました。遅かりし、由良之助。