生まれ変わったカフェカリフォルニア シェラトン都ホテル東京

10月1日よりメニューを大幅に変更し、新しく生まれ変わったカフェカリフォルニアを早速訪ねました。コンセプトは「食を楽しむレストラン」。「笑顔がこぼれる料理」を目指すというシェフの言葉にも魅力を感じます。

内装にはまったく手を加えていませんが、スタッフたちは以前にも増して明るい表情になった気がします。

メニュー構成が一変し、以前の料理はほとんど姿を消しました。個人的にはマクロビオティックのコースがなくなってとても残念。でも、その分、すべての料理にヘルシーさが盛り込まれるようになったようです。

ディナーコースは、4,620円から13,200円まで幅広く揃っていて、これほど多彩な料理を毎日仕込むだけでも大変だろうと思います。

今回は、8,250円の「バリエーション」というコースを選んでみました。「野菜の旨味がもたらす自然の恵み」というサブタイトルがいいですね。

まずはアミューズ代わりに、「産地直送野菜も取り入れた ミックスハーブサラダとアボカド 最上級オリーブオイル和え 白トリュフ塩、黒塩、タプナードとセロリ風味の泡添えをご挨拶にかえて」。長いネーミングです。

前菜は「海の幸とライ麦のチュイル ミルフィーユ仕立て 海老風味の人参ソース 生姜のアクセント」。チュイルはパリッとさせたいのか、しっとりさせたいのか。湿気た煎餅のような中途半端な食感はちょっと・・・

続いてリゾット。「籾発芽玄米と香味野菜のリゾット ロブスター添え 熱々オリーブオイルを流して」とある通り、テーブルサイドにワゴンを運んで、そこで熱したオイルを掛けて仕上げます。ジュッと音がすれば様になりますが、不発はカッコ悪いかも。それに焼けたオイルのにおいはあまり心地よくありません。

魚料理は「鯛の蒸し煮 根セロリのピューレ 10種野菜のブイヨンとオリーブオイルのエマルジョン トリュフ風味」とありますが、トリュフの香りはまったくしませんでした。野菜ブイヨンの圧勝。それはそれでいいのですが、トリュフ風味とあれば期待してしまいます。

肉料理は「仔羊肉のブイヨン煮 赤味噌と秋茄子のコンフィ添え チョリソー風味」。赤みそを使うのは面白いアイデアですが、どうも所帯じみた味になってしまうような気がします。素朴な料理にはいいかもしれませんが、どうなんでしょう。

デザートは2種類より選べます。今回は「メープルの香りマスカルポーネ ポワールウィリアムスのシャーベット添え」をチョイス。なかなか濃厚でよく出来ていますが、味が単調で途中で飽きてしまいました。

コースを終えてみて、全体に面白さを感じさせる工夫が満ちていることはわかりました。でも、本当の美味しさを一層引きあげている工夫なのかどうかは微妙。まだ、メニューが変わって2日目でしたから、手順に戸惑いがあったのかもしれません。一層の洗練を期待します。

サービスには親しみを感じますが、ひとつとても気になったことがあります。若いスタッフのクセでしょうか、ホール内で何度も両手で口を覆って咳やくしゃみをしていました。

そのまま手を洗いもせずに皿を運んで来られると、ちょっと嫌な感じです。レストランで働くのなら、首から上に手を持っていかないよう訓練が必要ですし、くしゃみをするにもまずバックヤードに引っ込んでから。そして必ず手洗いをしてからサービスに戻るべきです。