大分県玖珠町での学校巡回公演も本日が最終日。午前と午後にそれぞれ学校を訪問し、終わり次第ホールに駆け付けて、この日3度目の演奏に向けての準備を急ぐというハードな一日です。
でも、子どもたちとのふれあいからは大きなパワーをもらいましたし、夜のコンサートでも予想よりもはるかに多いお客さまに支えられ、気持ちよく演奏することができました。
午前中に訪れたのは、玖珠町では最も山間部に近い環境にある小学校。3校の小中学生を合わせても40名足らずですが、みなひとりひとりの目が輝いています。
午前の学校を後にして、ふもとにある慈恩の滝へ。二段になった滝からは、清らかな気が伝わってきます。
そして、滝の目の前にある蕎麦屋で昼食。滝の風情とよくマッチしているので、古くからある店かと思いきや、案外新しいのだとか。
注文したのは辛子おろし蕎麦。美味しい水を使って打った蕎麦は、しっかりと歯ごたえがありました。
そしてマイタケ天ぷら。
店を出て滝より少し下流を見ると、カッパが一休みしていました。童話の町・玖珠ですから、ほんとうにカッパがいるような気がしてきます。
そして午後からは中学校へ。今回の巡回最終公演ですので、気持ちを引き締めて向かいます。
ふだんは子どもたちにも人気のある曲を織り交ぜながら進行しますが、こちらの中学校だけは、オールクラシックのプログラムに挑戦してみました。
クラシックの中でも、ストーリー性のある作品や、旋律が覚えやすい曲を選ぶことで、少しでも親しみを感じてもらえるように工夫したところ、最後まで集中力を途切れさせることなく聞いてくれていました。
さて、学校公演の後はいよいよホールでのコンサートです。私の知名度が低いばっかりに、主催の皆さんにはチケットの販売でたいへんなご苦労をお掛けしてしまいました。
1週間前の売れ行き状況を聞いた時には、正直愕然としましたが、そこで諦めないのが神田将。学校公演の初日から、エレクトーンの魅力の波紋は広がり始め、次第にチケットも売り上げを伸ばしていきました。
当日だけでも約100枚のチケット申し込みがあり、開演時にはかなりのお客さまで賑わうまでになったのです。
それには主催者たちのラストスパートの追い上げはもちろんのこと、学校での演奏を聞いた子どもたちひとりひとりが広告係になり、ご両親などを誘って来場してくれたことも、大きな助けになりました。
学校とは一味違うリサイタルグレードのプログラムを組みましたが、子どもたちも含め、お客さまたちは常に高い集中力を保ちながら、とても好意的に演奏を聞いてくれていたようです。1曲ごとの拍手も、たいへん気持ちのよいものでした。
第2部の途中からはサクソフォンの波多江史朗さんに加わってもらい、楽しくアンサンブル。音楽が次第にスリルとスピード感を増していくと、客席との一体感も一気に増していきました。
波多江さんとのアンサンブルは、昨年の名古屋以来。楽屋では「明けましておめでとう!」と笑い合い、すぐに意気投合。久しぶりの合わせでも、すぐに感覚を取り戻せます。
すべての演奏を終えて楽屋に戻り、「やっぱり本番は楽しいよね」と互いを労いました。ロビーでお見送りしたお客さまたちもいい表情でした。
1週間の玖珠町滞在で、すっかり住民気分になった私ですが、今夜一晩過ごして、明日には一度お別れです。ずっと見守ってくれた教育委員会の皆さんにも感謝。また玖珠の皆さまにお会い出来る日を楽しみにしています。