今日は午後からオーストリア大使館でイベントの打ち合わせ。その前にオークラで腹ごしらえです。特にどの店と決めずに行き、その時の気分で中国料理「桃花林」を選びました。
この店を訪ねるのは実に久しぶり。店先に立って、改装され雰囲気が一変していることに驚いたくらいですから、初めてに等しいご無沙汰です。
予約もせずに店に入るのですから、ここは愛想よくがポイント。係ににこやかに近寄り、空席をねだります。まだオープン直後ながら、あまりよい席は残っていないようですが、少し広めのテーブルを用意してくれました。
店内は租界時代の上海を思わせるゴージャスでノスタルジックな雰囲気。どこからともなくスパイシーないい香りが漂ってくるのも、そんな印象を強調しているのかもしれません。
テーブルにはクラシカルな柄の飾り皿や、蓮型に折ったナプキンがセットされ、華やかです。
テーブルには「秋天小菜ランチコース(4,389円)」の品書きが置かれているところを見ると、これがお勧めの様子。
これでいいと思いつつも、一応グランドメニューを眺めると5,775円から11,550円まで4種類のコース、3,234円のセット、そしてバラエティ豊かなアラカルトが並んでいます。
やはり高いコースは魅力的な品々が多く思わず惹かれます。一瞬迷った結果、5,775円のコースを選ぶことにしました。決め手は酢豚。オークラの酢豚は昔から好きだったので。
ほどなくして前菜が運ばれてきました。品書きには「特製五種盛り合わせ冷菜(銘々盛り)」とありますが、どう見ても4種類にしか見えません。躊躇なく係に尋ねると、最初はチャーシューが2枚なので2品分だと答えました。
中国国内でなら、そのような屁理屈でも通用してしまいそうですが、ここはオークラですよ。黙っていると、係も自信を失ったのか、作り直してくると言って一度皿をひっこめました。そして改めて出てきたのがこちら。
何が変わったのかというと、黄色い漬物の上にイカが2切れ加わわりました。これでは「4が5になった」というより、「4が4,2になった」程度の感じですね。まあ、どうでもいいのですが、結構アバウトなんだなと思いました。
ちなみに、最初に出てきた状態のは、秋天小菜ランチコースの前菜としてサイトに掲載されているものと同じです。
次は五目入りふかひれのスープ。
野菜の煎り焼き点心。横の漬物は、チャーシューにアルミホイルが残っていたことを指摘したら、お詫びとして加わった品。コースには付かないようです。それもあやしいけど。
鶏肉とマカデミアナッツの炒め。
白霊茸のクリーム煮。箸だけではちょっと食べにくかったです。
お待ちかねの酢豚。あれ、こんな味だったっけ。記憶は次第に美化されるものでしょうけれど、あまりに印象と違っていました。
上海風 五目炒め焼そば。オークラにいながらにして、屋台やホーカーズ気分を味わえるなんて。
タピオカココナッツミルクは濃厚な味わい。
サービスは生真面目。スタッフは皆とても勤勉です。特にサービスが滞ることもなく、安定した印象でした。
店内の洒落た内装と、オーソドックスな料理とのギャップをどうとらえるべきか、なかなか難しいところです。もう少し味に上品さがあってもいいように思いました。