虎夢の昼会席 銀座

21時間足らずの北海道滞在を終えて帰京しました。コンサート後はスタッフの皆さんとともに地元食材をふんだんに使った素朴な料理に舌鼓。さんまの刺身や、まさに採れたてホウレンソウのサラダ、甘エビ、ごぼう、ジャガイモ焼酎などなど、土地ならではの味覚に酔いしれました。

羽田空港からその足で銀座へ向かい、ミーティングを兼ねたランチのため銀座8丁目のビルにある「虎夢」へ。初めて訪れる店なので、何と読むのか迷いましたが、「こむ」と読むそうです。

エレベータの内装にも独創性が感じられ、店のある8階に降り立つと、照明を抑えた雰囲気がそのまま店内へとつながっています。エレベータホールには強面の招き猫(招き虎?)が客ににらみをきかせているところもユニーク。

入口で靴を脱ぐと、それぞれ半個室状になったテーブルへと案内されます。各テーブル間の遮音性は高くありませんが、他のお客さんの姿が見えることはありません。

昼の献立は4,180円の虎夢会席と、4,950円の特別会席があります。その日の内容が細かく記された献立表が出て来ますので、席だけ予約してそれを見てから決めるのもいいと思います。

今回は虎夢会席を選びました。まずは「真鱈昆布〆 ポン酢ジュレ掛け 浸し豆のクリーム煮」。

なるほど、こちらは和洋フュージョンの創作料理なのですね。どちらかと言うと和のテイストが主軸で、洋のニュアンスを加えたという感じでしょうか。続いて「湯葉とろ鍋 鱸、蛤、焼き葱、水菜」。

「フォアグラのポワレ 大根」も、和風の味付けが新鮮でした。見た目は薩摩揚げですね。

「糸縒鯛若狭蒸し 浅蜊と蓮根の飴」。品書きが手書き風の字体なので、細かい漢字が読みにくくて。いよいよ老眼か。

「旬菜酢ゼリー掛け 帆立、烏賊、蕪、南瓜」。器もそれぞれに楽しめます。

メイン料理は2種類から選べます。黒鯥か京鴨と案内され鯥を選んだのですが、係が迷っている連れに「迷った時は鴨をお勧めします」と言ったのを聞き、私も宗旨替えして「京鴨ロースの治部煮風」にしました。

食事は「じゃこと高菜のお茶漬け」をチョイス。他に冷やし稲庭うどんも選べます。

デザートは「冷やし白玉ぜんざい バニラアイスクリーム」の2種が出て来ました。この辺も女性を意識した印象です。一緒に盛っちまえばいいのにと思うのは男の感覚でしょうかね。ぜんざいは、ムースのようでした。

最後はコーヒーか紅茶が付きます。ドリンクリストにも各種飲みものが揃っており、お酒を楽しみたい人にも向いています。

料理の味もなかなかです。内容と値段を照らし合わせると、かなりお得な印象。ただ、トイレの清潔感は十分とは言えません。

また、サービスは丁寧で好印象なのですが、こちらが大切な話をしている途中でも、躊躇なく「お話し中失礼します」と切りこんで来ます。本当に失礼だなと思いました。

で、何を言い出すかと思えば、料理の説明。目の前に品書きがあり、それ以上のことは説明しないのですから、どうしても必要なわけではありません。場の雰囲気をよく見てタイミングを考えて欲しいものです。