コンサートの余韻がまだ心地よく残る夜。すばらしい静寂に心奪われて寝付けず、ベッドから抜けだし、満天の夜空を見上げて、まさに星を数えながら朝を待ちました。
次第に空が明るみ、星がひとつずつ消えていくと、今度は波頭が闇から浮かび上がってきます。部屋から眺めているだけでは飽き足らず、コートを着て港に出てみました。
なんと鮮やかな空だろう。これほど強烈な現実感は、久しく味わったことがない。そんな圧倒的な風景でした。強い風にもまれた荒い波が、シンフォニーのように重なります。
やがて太陽が顔を出すと、周囲のすべてが輝き始めます。こんな光は人間には造り出せやしないなと思いつつ、まるでミジンコがサメに挑むような発想だと自分が可笑しくなりました。
振り返ると、丘の緑も生き生きとして、まるで酸素がもくもくと立ちのぼるのが目に見えるかのよう。
美しいものに囲まれた目には、砕ける波しぶきさえ芸術的に映ります。
うっとりしながら宿に戻り、朝食を済ませたら、早めにロビーへと下りました。飛行機の出発前に、ほんの1時間ほどのドライブをお願いしてあったのですが、それが待ち遠しくてしかたなかったのです。
「島の自慢を見せて下さい」と頼むと、まずは沖永良部島で最も高いところへ案内してくれました。そこからは島のかたちがよくわかるほど見通しがよく、とてつもなく巨大な船に乗っているような気分でした。
続いてワンジョビーチ。誰もいない冬のビーチは、人をセンチメンタルにする力が満ちています。流れる雲がドラマチック。砂浜には足跡ひとつありません。
足元には、美しく青き危険ないきものがたくさん。いったいどんな暮らしをしているのでしょう。
ビーチ沿いの道にも、なんとも言えない雰囲気が感じられます。
次は、国頭小学校の校庭にある、日本一のガジュマルを見に。
そしてワイルドな地球の造形、フーチャ。強い風と荒い波により、今日はいつもよりダイナミックだそうです。高所恐怖症の私には、決死の覚悟が必要でしたが、トライする価値は十分にありました。
これらのスポットについての詳しい解説は、沖永良部島ガイドマップをぜひご覧ください。
フーチャでポーズを決める波多江さん。
エージェント西村さんは両手を翼のように広げて。
車中でセンチメンタルな表情を浮かべる米津さん。
そして沖永良部空港から、朝の便で出発。たくさんの方々が見送りに来てくれました。立ち去り難いけれど、またきっと!
最後に、機内から見えたハート型の小島を。さあ、皆さんも旅のプランを立ててみませんか?