第九演奏会を終え、宇部のホテルに1泊。朝の便で旅立つ前に、懐かしい再会が待っていました。
それは、ホテル前にある三つの像たち。クリスマスが近いこの季節、像たちもサンタクロース風の衣装をまとって、めかしこんでいます。逆に、ふだんどんな装いなのかが気になるところ。
思えば、昨年もこの時期に同じホテルに泊まりました。それも山口での演奏会翌日だったと思います。
まだ日が差し始めて間もなかったので、人通りもほとんどありません。彼らの傍らにはベンチがあり、私はそこに腰かけて、像たちが奏でる無音の音楽に、しばらく耳を澄ましました。
猫の像はというと、音のない管楽器の演奏に、ずっとずっと聞き惚れ続けているかのように見えます。私の音楽も、こんな風に、時を忘れて聞き込んでもらえたらどれほど嬉しいことでしょう。
それに、永遠に演奏し続けている像を見ていたら、たった数時間弾き続けただけで疲れたと泣き言をたれる自分を、まだまだだなと省みる気持ちになりました。
寒い朝でしたが、ここでまた元気をもらって、たくさんの花束と一緒に東京へ。さあ、次は23日のコンサート準備です。ぼんやりしている場合ではありませんね。