次第に明けてゆく空を眺め、やがて顔を出した太陽と対面した時、にわかに気付きました。これが初日の出。ビルの間を縫うようにして上がり、またたく間にバンコク中を光輝かせました。
特に元旦を意識することもなく、午前中はプールでひたすら泳ぎ、体の深いところで眠っている細胞を目覚めさせ、タイ料理の激辛ランチを。
午後は人と会うために、宿泊しているのとは別のホテルに出掛けたのですが、タクシーを使わず、自分の足で歩きました。その方が格段に街の空気をじかに味わうことができます。
気になる店があれば、ふらっと立ち寄ってみるのですが、たいていが象がらみ。象をモチーフにした品が展示されていると、ついつい覗きたくなってしまいます。
バンコクで象を気にしていたら、ほとんどすべての店に立ち寄らなければなりません。中国のパンダよりも、北海道のクマよりも、タイの象指数はハイレベルです。
道路の真ん中にも突如として象の像が設置されているのが見えたり・・・
ホテルロビーの立派なシルク画にも、多数の象が描かれていたり・・・
狛犬やシーサーのように、象をエントランスに置くビルもたくさんあります。
道の樹木もゾウのカタチ。
バスルームでもゾウが笑ってます。
ひときわゴージャズで風格があるのは、マンダリンオリエンタルのロビーに飾られているゾウ。
タイのトラディショナルハンドクラフトばかりを集めたショップでは、もうテンション上がりっぱなし。店ごと買い取りたい衝動を抑えるのに必死でした。
でも、まだバンコクに来て生きている象には出会っていません。昔は市街地でもまれに象を目にしましたが、バンコクの風景もどんどん近代化しています。
私は20世紀の東京から来た、浦島太郎のようなエイリアン。東京だって人の数では負けていませんし、魅力的な施設もたくさんあるのに、なんかこう、ワクワク感が足りないんです。
人の心をときめかせるものって何だろう。バンコクの活気は、私にそんな謎掛けをしているかのようです。