ベンジャロンのタイ料理 デユシタニ バンコク

タイに住む友人ともお別れの夜。さて何を食べようかと、直前になって思案。あらかじめ予約という堅苦しさがここバンコクに似合わないことは、たった数日の滞在でも体感できます。

でも、あちらもこちらも満席。やはり予約しておくべきだったねと笑いながら、やっと電話で席が取れたのが、デュシタニのタイ料理店「ベンジャロン」でした。

デュシタニは、タイ王室の利用も多いという、バンコクを代表する老舗ホテル。日本で言えばニューオータニみたいな存在でしょうか。

広い敷地を誇る館内には、12の料飲施設が整っており、「ベンジャロン」はタイ料理の中でも宮廷料理と銘打った品々が味わえる店だそうです。

店内はさすがに豪華な雰囲気。タイの伝統的なモチーフに加え、シャンデリアなど西洋風の装飾を施してあります。大きな窓の向こうには緑豊かなガーデンも見えます。

料理の注文は友人に任せました。アラカルトで頼み、シェアするスタイルです。グランドメニューを見る限り、1品ごとの値段はとてもリーズナブル。やや値が張るのは伊勢海老の料理くらいです。

先に出て来たのはエビの薩摩揚げとパイナップルに入ったチャーハン。係が恭しく取り分けてくれます。

次のカレーは、マッサマン・ガイ。ピーナッツを使ってまろやかに仕上がっています。スパイスの調合がユニークで、クセになりそうな味。

魚が一匹丸ごと出て来ました。係に尋ねてもタイ語で答えるので、結局なんだかわからず。タイ人の友人が教えてくれたところでは、スズキだそうです。

続いて大きな海老の半開きグリル。

これは伝統的な料理なのでしょうか、ウニの味がするイカ。

デザートはやっぱりこれ、マンゴーと甘いもち米。

そしてお茶受けに、タイ伝統菓子のあれこれ。

ベンジャロンとはセラドンと並んでタイで有名な焼物。サンスクリット語で5色を意味するとか。店名にもなっている通り、器はすべてベンジャロン焼きです。

タイ宮廷料理というくらいなので、さぞや凝ったものが出てくるのかと思いきや、案外シンプルで食べやすいものばかりでした。そして、味も一般の理解を越えた不思議なものはひとつもなく、むしろ庶民的で親しみやすい印象です。

店内では揚琴の生演奏も行われ、とてもいい雰囲気。旅先で食事をしているという実感がありました。