海に沈む太陽と月

星の位置と動きで、時間と方角を知る。現代に生まれ、かつ都会で生きていると、そんな古代からの知恵を実感する機会はほとんどありません。ホノルルもまた人間が栄える都会のひとつですが、星に基づく時間感覚がとても役に立っています。

厳格な約束はしない。予定も大まかにしか決めない。海が呼んだら飛び込んで、腹が減ったらフルーツを食べる。せめて一日、そんな過ごし方を。対話の相手は太陽です。

南国の太陽は傾き始めてからも強烈な日差しを投げかけて来ます。

黄昏を意識させるのは、日没10分前から。

陽が落ちる瞬間は息を呑む美しさ。

暮れる空にシルエットが映える頃になっても、まだ海で泳ぐ人がたくさん。

やがて夜空になると、今度は月が太陽を追うようにして動きます。漆に銀を流したような明かり。月も腕利きの照明技師です。

月が海に沈むと、またふたたび新しい一日が始まるのです。