毎年この時期になるとアスパラガスが食べたくなります。例年よりも少し早く旬を迎えたホワイトアスパラを、城シェフがどんな風にアレンジするのか、期待に胸を膨らませながら、六本木のフレンチレストラン「ヴァンサン」へと向かいました。
髪を切ってさっぱりしたし、編曲し直そうと思っていた2曲も仕上がったことだし、心置きなく料理を楽しめる絶好のタイミングでの来店です。
早速、冷前菜。美しい色合いに仕上がった自家製のカラスミ、そしてホワイトアスパラを柵状にして、その中にもアスパラが入り、キャビアをたっぷりとトッピングしてあります。
温前菜はホワイトアスパラガスと魚介のサラダ仕立て。この絶妙な火入れ加減は熟練の技と感覚のたまもの。簡単に真似できるものではありません。
ホワイトアスパラガスのクリームスープでも、パーフェクトな加熱を実感。スープにはハマグリが入っていて、ほんのり海の香りも。器の深い青がコートダジュールの海に見えて来ます。
魚料理はメインティッシュのようなインパクト。大きな山口産黒鮑とアスパラガスの競演です。
鮑にすっかり舞い上がっていたら、次の肉料理には不意打ちのような衝撃。鳩のパイ包みには、フォアグラとたっぷりの黒トリュフ入り。そして艶やかなソースが、フランス料理の底力を放ちます。
ワインはシャペルシャンベルタン1999年。赤い果実のフレッシュな酸味が印象的。しなやかで優しい口当たり。
デセールはベリーやチョコレートを使った大人っぽい濃厚な味わい。ソーテルヌワインと一緒に。
最後はエスプレッソと共に小菓子。
美味しい料理は難しいことを考えなくても、ただ楽しく味わいさえすれば幸せな気分にさせてくれます。食べて喋って微笑んで、あっという間に3時間半。お腹だけじゃなく、心も大満足。このままの気分で楽器に向かって弾きまくりたいと思い、家路を急いだのでした。