和歌山を後にして、次に向かうのは香川。いつもなら大阪と岡山を経由して最速の鉄道を使うところを、今回はのんびりとフェリーを選びました。ゆとりある旅路を。最近はそれが好みのスタイルです。時間が許される限り。
和歌山駅から路線バスに揺られて和歌山港へ。気軽な一人旅にタクシーは似合いません。地域のお年寄りたちの会話も都会人の耳には新鮮です。
平日ということもあり、フェリー乗り場に人影はまばら。このちょっと寂れた感じがいいんです。でも、それも束の間、チケットを買って乗船を待っていると、だんだんと人が集まって来ました。
出航時間には、船室がそこそこ人で埋まり、結構な賑わいに。一般旅客より、トラックなど車のドライバーが多い様子。本四間の橋はいずれも重量制限があり、重い荷物を積んだトラックは通れないため、このフェリーが重要な物資輸送ルートになっているとか。
乗客はいずれもこの航路に乗り慣れているようで、自前の毛布や枕を持ち込んで、思い思いのスタイルでくつろいでいます。
売店もあります。
私はちょっと静かに過ごしたいと思い、500円奮発してグリーン席券を購入。グリーン船室には私を含め5人しか乗っていなかったので、たいへん静かで居心地のいい空間でした。
なのに、南海フェリー初体験の私は、終始船内をうろうろ。ほとんどの時間を、デッキで海原を眺めながら過ごしたのですが、とりわけ海から見る淡路島の姿が、地中海の島に似ていて素敵でした。
実はこの夜、体調を崩します。この時すでにおかしかったのかもしれません。それなのに海風に当たり続けるとは、うかつでした。
2時間10分で徳島港に到着。あっという間です。そこからまた路線バスに乗り込み、徳島駅へ。
今回、徳島に立ち寄る必要は特にないのですが、初めての街で目的もなく過ごす時間から何かを感じたいと思い、あえて1泊することに。雰囲気のいいホテルにチェックインし、街の中を歩いてみました。
駅前から500メートルほど直進すると、眉山のふもとに出ます。そこには阿波おどり会館なるものがあり、そのビルの上からロープウェイが出ています。
会館では阿波おどりの実演もあるとのことで、ふらり立ち寄ってみようと思ったのですが、うっかり財布を持ってくるのを忘れ、土産物コーナーを見ただけで退散。次回の楽しみに取っておくことに。
あとは、どこに行っていいのか思いつかず、新町川を眺めながら、しばし考え事。ひとりウクレレを練習するおじさんの音色に、気持ちも軽くなりました。
今日はこのまま仕事を離れて気分をリフレッシュしようと思いきや、上海から「至急」の取材が入り、これからそのレポートを仕上げなくてはならないことに。早いこと仕上げることにします。その前に夕飯!