昨日、上海音楽庁の演奏会でもらったユリの大きな花束からは、くらくらするほどの甘い香りが広がり、ホテルルームにいながらにして花園にたわむれるような気分です。
ブログの少女にもらった花は、クリスタルの花瓶を借りてバスルームに飾っています。こうして花に囲まれるのも、演奏家にとっては大きな歓びのひとつです。
さて、4月3日は今回の上海滞在で予定されている最後の公演。2度の上海音楽庁で燃え尽きてしまいましたが、朝になればまた元気が湧いてくるから不思議です。
車で向かったのは上海城市劇院。先週の嘉定同様、市民のための芸術普及コンサートです。
劇場の周辺は、郊外の洒落たベッドタウンという雰囲気。市内中心部よりも落ち着いていますが、活気もあります。ちょうど二子玉川あたりの感じでしょうか。
さまざまなイベントが行われるホールらしく、オペラにも対応できるような大きな舞台と広い舞台袖があり、赤いシートが華やかです。
大きなステージでのソロ演奏は実に爽快。スクリーンを使い、エレクトーンや演奏曲に関する解説が映し出されるところは、普及コンサートらしい工夫です。
中国は今ちょうど日本でいう彼岸(清明節)に当たり、会社や学校は連休中。多くの人々は郊外に出掛けたり、墓参りをしているので、今日はお客様が少なめでした。
でも、その分、本気で聞きたい人たちが中心に集まりましたので、音楽へ深く入り込んで聞いてくれていることが強く伝わってきます。
途中、エレクトーンに触れてみたい子どもたちを舞台に招くコーナーがあったのですが、結構みんな器用に弾きますし、まったく物怖じしない積極性に感心しました。
後半にはツァオ・レイもゲスト出演して、カルメンをアンサンブル。
本番の写真が撮れなかったので、すべてリハーサルの写真です。互いにリラックスしていたこともあり、昨日までとは打って変わって軽やかな演奏でした。
演奏会が終わり、母たちはホテルでアフタヌーンティー。ロビーにはイースターのディスプレイが華やかです。本物のチョコレートなので、館内には甘い香りが漂っています。