開業85周年を迎える横浜の老舗ホテル、ニューグランド。山下公園と港の風景を一望するロマンチックなロケーションにマッチするクラシカルな雰囲気は、今も昔も横浜の顔です。
その5階にあるダイニング「ル・ノルマンディ」は、フランス料理の店としては客席数が多く116席を数える規模。店内は豪華客船の主食堂を思わせるダイナミックな空間です。いざ、食の航海へ出発しましょう。
サービス陣は全員男性。夜はこの方が引き締まっていいように思います。かしこまった風でもなく、親しみのある接し方です。
シャンパンを頼んで、グラスを傾けながらメニューをじっくり眺めます。3種類のコースとアラカルト。コースには旬のホワイトアスパラガスが盛り込まれているので、コースを選びました。
アミューズ
フランス産ホワイトアスパラガスと帆立貝、生ハムのサラダ仕立て、トリュフのヴィネグレット
スペルト小麦のリゾット、フォワグラのポワレ
本日入荷の鮮魚 シェフスタイル
食いしん坊の一皿(二種類の牛肉の盛り合わせ)
ノルマンディ特製デザートの盛り合わせ
コーヒーと小菓子
料理もサービスも、とことんクラシック。モダンキュイジーヌに慣れてしまうと、たまに味わうこうしたクラシック料理が新鮮に感じます。
ただ、正統派というより、やや観光店的な印象もあります。盛り付けが悪いわけではありませんが、サイトにある見本写真とはずいぶんと違っていました。高級店では、見本写真と変わらぬクオリティの盛り付けが常識です。
また、コーヒーをもう1杯欲しいのに、給仕の気を引くことにかなりの苦労をしました。一通りサービスを終えたテーブルには、もう用はないと思っているのでしょうか。
そして夜9時を少し回ると「9時で閉店ですので。」と各テーブルを回り、退店を促していました。
私たちはもう食べ終わって店を出ようとしていたところなので構いませんが、窓際でロマンチックな誕生日を過ごしているカップルは、まだケーキを食べているところ。気の毒でなりませんでした。
航海の途中で船を追い出されたら、泳いで帰らなくてはいけませんね。ああ、恐ろしい。