香川から戻った夜、友人との会食にトロワグロを訪ねました。新しく就任したシェフもそろそろ馴染んできた頃合いでしょうし、4月20日から新しくなったメニューにも期待が膨らみます。
メートルドテルは不在ながら、支配人が出迎えてくれました。席の好みを言葉にするまでもなく、納得のテーブルアサイン。給仕たちはくつろいだ雰囲気で会釈をしたり、笑顔を向けたりしてくれます。
シャンパンが注がれるとほどなく突き出しが運ばれてきます。以前より若い女性給仕が多くなりましたが、まだ客と進んで口を聞くことは許されないポジションで、男性同様キビキビと振舞っています。
クスクスのフライ、薄いトーストに載ったアオリイカ、焼いたパルメザンチーズに載ったキュウリ。毎回、少しずつアレンジされていて、今回はキュウリが新鮮に感じました。
小前菜は前回と同じ鯖のフライ。盛り付けが若干異なるのは、その時に担当した人のセンスでしょうか。
注文は今回もアラカルトで。メニューが新しくなったとはいえ、大改編という感じではなく、季節ごとにスペシャリテを入れ替えている印象。コースとアラカルトの品がほとんど重複しているのは、アラカルト派としてはちょっと残念。
前菜はフォアグラのポワレ。誘惑的なフォアグラの味覚に、鴨のコンソメや歯ごたえを保った野菜がアクセントに。干し草の風味をプラスしているとのことながら、私には実感できませんでした。
メインディッシュはラングスティーヌ“パン・デ・アクカル”。パンデアスカルで思い浮かべるのは、リオデジャネイロの名勝地。あるいは、その名の直訳である「砂糖の山」。はたまたブラジルの量販店・・・
ソースにはブラジルのカシャーサが風味付けに使われているので、ブラジルからインスピレーションを得ているのは確かなようです。
アヴァンデセールはチョコレートのムース ライチのソルベ。ココナッツがアクセント。ムースはとろけるほどソフトで、ぷるぷるしたチョコレートドリンクのよう。
デセールはレモンショコラスフレ シトロネルソルベ。大好きなトロワグロのスフレの中で、味も出来栄えも今回が最高でした。
一方、料理にはいつもの冴えがなかったような気がしましたが、一時的なものであると願っています。