世界の果てより遠かった和歌山

送りの車のシートに深く身を沈めて、うつろに見上げる東京の空は、いつもより美しく輝いて見えました。高速道を過ぎゆくシーンは、まるで走馬灯のよう。

火照る体に「私は今沖縄のサトウキビ畑で日光浴を楽しんでいるんだ。なんと心地がいいのだろう」と耽る空想。目的地はまだ遠くです。

スローペースで、十分に余裕を見ながらの旅路。額の冷却シートを隠すのは、目深にかぶった帽子。乾燥を防ぐためにマスクもしたので、一見すると犯罪組織の一味のようなルックスです。

それでも、空港のゲートは問題なく通過。静かで暖かいラウンジで時を過ごし、小さな飛行機で関西空港へ。

到着時には悪寒が止まらなかったので、スターバックスでチャイラテを注文。うんと熱くねと言ったのに、猫舌仕様で出て来たので、まったく暖を取れず。

そのままタクシーでホテルへ向かい、掛け込むようにチェックイン。親切なフロントスタッフが氷枕や予備の毛布などを用意してくれ、あとは安静にするばかり。

和歌山まで6時間の旅。思い出と空想のあらゆる場所を旅しながら辿り着きました。明日のスーパーレッスン、体力が持つことを祈ります。